5日に黄河中流域で発生した「2021年黄河洪水第3号」は、そのまま下流に向かい、7日には河南省を通過した。流量が毎秒8360立方メートルに達し、1979年以来の大規模な洪水となり、再び記録を更新した。大石を満載した大型トラックが大量に待機しているという情報や、当局が食糧を使って洪水を防いでいるという噂もある。

 中国水利部の洪水情报によると、渭河と黄河北方の支流量増加の影響で、黄河の中流域にある潼関水文駅の流量が5日午後11時に毎秒5,090立方メートルに昇り、「2021年黄河第3号洪水」が形成されたという。

 洪水が下流に向かって押し寄せているため、黄河水利委員会は6日午後3時20分に、河南省三門峡市の河川区間に洪水の黄色(注)警報を発令した。地元のダムでは、7日に1979年以来最大洪水量を記録した。中国水利サイトによると、6日までに三門峡ダムの底ゲート12個、深いゲート12個、トンネル2個のすべてを緊急開放して放水したという。

 インターネットに流れた動画には、黄河付近に大石を積んだ大量のトラックが待機している様子が映っている。また、一部のネットユーザーによると、黄河流域近くの一部の地域では洪水が地元の農家を襲い、地滑りや土砂崩れが絶えなかったが、死傷者の状況は明らかになっていない。

 「2021年黄河第3号洪水」が発表された後、黄河流域付近の堤防が薄くて脆(もろ)く、押し寄せる洪水に耐え切れないため、地元当局は大量の小麦粉を運んで堤防を塞いだというネット上の一部の動画に、地元の民衆は驚かされている。

 また、大量放水により、山東省の黄河本流は毎秒5000立方メートルの洪水量は少なくとも15日間続く見込み。これは山東省の洪水防止状況がいっそう厳しくなる恐れがある。

 注:中国の警戒信号のレベルは、一般的に気象災害がもたらす危害の程度、緊急度、展開状況に応じて、Ⅳ(一般)、Ⅲ(軽度)、Ⅱ(重度)、Ⅰ(特に重度)の4段階に分けられ、青、黄、オレンジ、赤の順に表示される。

(翻訳・藍彧)