フランシス・ホーゲン氏(パブリック・ドメイン)

 米Facebookの元プロダクトマネージャーであるフランシス・ホーゲン氏(37)は3日(現地時間)、米CBSのドキュメンタリー番組「60ミニッツ」に出演し、数万ページに及ぶ内部資料をリークした経緯を明かした。同氏は、同社がヘイトスピーチと偽情報対策を怠り、ユーザーの安全よりも自社の利益を繰り返し優先したと訴えた。

 Facebookの誤情報チームでプロダクトマネージャーを務めたホーゲン氏は、米紙「ワシントン・ポスト」とのインタビューで、同社のコンテンツが有害であるという情報を一般市民や規制当局に開示していないことに気づき、それが民主主義を脅かす原因になっていると述べた

 Facebookにとって、今回流出されたデータは、おそらく同社史上最も重大な危機である。同社は連邦政府の反トラスト法違反事件の対象にもなっている。議会は1月6日の連邦議会議事堂の襲撃事件で同社の関与についても調査している。

 「公衆にとって良いことと、フェイスブックにとって良いこととは相反しており、Facebookは自社の利益を繰り返し優先させた」とホーゲン氏は指摘した。

 ピンタレスト社、Yelp、グーグルなどのハイテク企業で務めたホーゲン氏は、Facebookのポリシー、特に今年1月6日に起きた連邦議会議事堂襲撃事件での同社の役割に懸念を抱いたため、5月に退社を決意。同氏は「公共安全のために成長を制限しようとする雇用主を信用できなくなった。これは民主主義に対する背信行為だ」と語った。

(翻訳・徳永木里子)