(イメージ / Pixabay CC0 1.0)

 これは本当の話である。

 ある女性が食肉の加工工場で働いていた。ある日、彼女はいつものように仕事の段取りをした後、冷蔵倉庫に入って検査をしようとしたところに、不幸な瞬間が訪れた。倉庫のドアが急に閉まってしまったのだ。彼女は閉じこめられ、必死に叫んでも叩いても、誰にも彼女の声は聞こえなかった。その時はほとんどのスタッフが退勤した後だったため、あの冷たい部屋で何が起こっていたか誰も知らなかった。

 5時間後、彼女が死に瀕しているとき、工場の警備員が倉庫のドアを開け、奇跡的に彼女は救い出された。

 その後彼女は警備員に聞いた:なぜ倉庫のドアを開けてくれたの?それはあなたの仕事ではないはず。

 警備員はこう答えた:
 僕はこの工場で35年間も働いている。毎日何百人のスタッフと会っているが、あなただけが毎日僕に挨拶してくれるんだ。たくさんの人はあなたと違って僕のことを無視している。あなたは今日もいつものように、出社の時に僕に「おはようございます」と言ってくれたが、退社の時のあなたの「お疲れ様です」をまだ聞いていなかった。だから工場の様子を見てみようと思った。あなたの「お疲れ様です」を期待している僕にとって、それは大切なことなんだ。あの日はまだ聞いていなかったから、多分何かあったのだろうと思い、工場であなたを探していたんだ。

 自分の周りの人々を尊重することは大切だ。明日何がやって来るかは永遠に分からないからだ。

(翻訳・謝如初)