北京市にある中国国家電網本社ビル(Ermell, CC BY-SA 4.0 , ウィキメディア・コモンズ経由で)

 中国の電力危機は中国当局に大きなプレッシャーを与えている。北京は緊急会議を開き、国有企業に冬の電力供給を確保するよう命令を下した。中国のエネルギー企業は、国内価格の2倍以上の価格で海外市場から天然ガスを争って買い込んでいる。

 アジアの天然ガス市場の現物価格は昨年同期比500%以上も高騰しているにもかかわらず、中国のバイヤーは購入量を増やそうとしている。中国海洋石油(CNOOC)や中国石油最大大手「ペトロチャイナ」などのエネルギー大手が、冬季納品の船荷を求めている。

 都市ガス会社を中心とした一部の中小エネルギー企業は、国際的なガス価格が国内価格の約2倍で、消費者へのガス販売で巨額の損失が出るため軽率に行動できない。

 ブルームバーグはインドネシア市場のニュースを引用して、中国企業が北京の命令を受けて、最も汚染物質を排出し、エネルギー効率の悪い燃料の1つとされる地元の褐炭を空前の高値で買い占めている報じた。

 中国の電力パニックにより、世界は新たなエネルギー危機に陥っているとの報道もある。石油、ガス、石炭、電力の世界的な価格が上昇し、オーストラリアはここ3ヶ月で約50%、インドネシアは30%に輸出価格が上昇している。

(翻訳・藍彧)