米国防長官ロイド・オースティン氏は9月29日、米国務省がアフガニスタンから米国市民権者と特別移民ビザ(SIV)所持者を迅速で素早く撤退させないよう求めており、撤退のスケジュール管理はバイデン政権によって定められたと述べた。
オースティン氏は9月29日、米下院軍事委員会の聴聞会で証言する時、ロードアイランド州の民主党下院議員のジェームズ・ランジェビン氏に「なぜ米国は米国市民権者とSIV所持者を早期にアフガンから撤退させなかったのか」と聞かれた。オースティン氏は「国防総省は元々米国人を早く撤退させようとしたが、撤退の延期は国防総省の決定ではない。撤退の延期は国務省の要請である。当時のアフガン政府関係者は、あまりにも早く米国市民権者とSIV所持者を撤退させた場合、アフガン政府の崩壊を招く恐れがあると警告した」という驚くべき情報を明かした。
ランジェビン氏はさらに「米国政府はなぜ、タリバンが弱体化する可能性のある2022年初の冬まで待つのではなく、2021年の夏、すなわちタリバンの戦力が最も強い時期に撤退することを選んだのか」と尋問した。
オースティン氏は「大統領が夏に撤退することを決めた」と答えた。
バイデン米大統領は7月8日、メディアに「アフガンからの撤退とベトナム戦争の終結との間に類似点はないか」と聞かれたところ、バイデン氏は「いかなる場合でも、アフガンの米国大使館の屋上から人々が担ぎ下ろされる(死傷者が出る)ことはない」と断言した。
しかし、8月31日に米軍が完全撤退した後、バイデン氏は「混乱と傷害は避けられない。撤退をすれば必ず死傷者が出る」と発言した。
米国の共和党員は、米軍がアフガンからの撤退によって引き起こした混乱は、致命的なISIS-K(イスラム国ホラサン)によるテロ攻撃、米国市民とアフガン同盟国への裏切り、審査されていないアフガン人の米国入国の許可などの深刻な問題を招いたと繰り返して指摘した。民主党員の多くも、バイデン政権のアフガン撤退を疑問視している。
(看中国記者・理翺/翻訳・吉原木子)