香港の景色(イメージ:Estial/Wikimedia Commons/CC BY-SA 4.0

 米国国務院の報告によると、中国共産党政府の香港に対するコントロールは、このアジアの一大商業都市に大きな影響を与えている。この報告は、香港に対する共産主義的統制の強化の例として、フィナンシャル・タイムズのアジアニュース編集者ビクター・マレット氏のビザの拒否、民主主義青年活動家の投獄、および独立派政党の禁止を強調した。

低下する商業価値

 報告によると、香港は中国共産党政権の影響を大きく受けるようになっている。例えば、中国共産党政権は新たな法律を制定している。この新たな法律により、香港の住民は人権状況が劣悪な中国本土に引き渡される恐れも出てきた。

 近い将来、中国共産党政権によって支配が強化されることとなれば、香港は中国本土の都市と同じようになる可能性が高い。昨年10月に香港が米海軍の強襲揚陸艦の寄港を拒否したことは、香港政府が中国共産党政権の強い影響を受けた一例である。

 今まで、アメリカの対香港政策は、対中国政策と大きく異なるものだった。これは香港が「十分に自由である」という条件に基づいている。したがって今後、米国政府の対香港政策は調整される可能性もでてきた。香港に対する米国政府の特別な措置もなくなる可能性がある。例えば、香港住民のビザ申請、投資活動などに対し米国政府の審査が厳しくなる。このような変化により、香港の商業的価値は低下する恐れもある。

イギリスの報告

 最近、イギリス政府の報告によると、香港市民の自由度が低下している。この報告では、議員立候補者に対する政治審査の実行や、香港民族党の活動禁止が特に言及された。イギリス外務大臣ジェレミー・ハント氏はこの状態に対し次のようなコメントをした。「私は香港の独立を支持しないが、香港市民が中国政府を批判する自由は保護されなければならないと信じています。」

(翻訳・黎宜明)