ある人気女優は、よく恋愛映画でヒロイン役として活躍していますが、自身の恋愛で挫折を繰り返していました。
メディアの取材を受ける際に、彼女は、「長年、映画で様々な役を演じてきましたが、自分を演じるのが一番大変で、失敗していると思います。なぜなら、映画で役を演じる時は、脚本をもとに演じればいいのですが、現実で自分を演じる時、脚本がなく、リハーサルもできません。一度失敗したら、すべての責任を自分で負わなければなりません」と感慨深げに語りました。
そして、「役を演じるのは簡単ですが、自分を演じるのは難しいです」と言いました。
私はこの取材記事を読んで、とても感慨深いものがありました。世の中のことはすべて同じではないでしょうか。岡目八目というように、傍から見ている人が当事者より情勢が分かります。岸辺に立っているときは客観的に見ることができますが、激流の中にいると混乱してしまいます。心理カウンセラーは一般の人よりも多くの心理コンプレックスを抱えているかもしれません。婚活コンサルタントは、自分の結婚に問題を抱えているかもしれません。
現実の人生は、映画のように決まった脚本も、リハーサルも、やり直しもできないものです。そのため、迷いながらも、責任をもって、今を生きて、すべての瞬間で最善を尽くすことが何より大事です。それができれば、結果が良かれ悪しかれ、後悔がないはずです。
映画での人生は、脚本という形で決まったものですが、現実での人生に決まりはありません。そのため、自分だけのオリジナルの人生を楽しめます。何をするのか、どのように過ごすのかは、自分で自由に選べます。これが人生の最大の楽しみです。
しかしながら、自分が選んだすべてに対して、自分で責任を持たなければなりません。責任を持つことが人生の最大の重みですが、人生の醍醐味とも言えるのではないでしょうか。
(翻訳・心静)