米国テスラ社の電気自動車(MIKI Yoshihito, CC BY 2.0, via flickr)

 中国共産党政府はこのほど、23の省が設定したエネルギー制限目標に達成できなかったと発表した。現在、多くの省政府が節電のため、企業に生産停止や生産量の削減を義務付けるという大規模な政策を採用した。新たな政策は、アップル、テスラ、マイクロソフト、ヒューレット・パッカード、デルなど多くの主要サプライヤーにも打撃を与え、クアルコム、エヌビディア、インテルなどの世界トップレベルのチップパッケージおよびテストサプライヤーの生産活動にも支障をきたしている。

 フォックスコン(富士康科技集団)傘下の子会社で、世界最大級のiPhone組立メーカーであり、アップル社やテスラ社にも部品を供給している「乙盛精密工業株式会社」は27日、江蘇省の昆山市の工場において、同市の環境対策に伴い、先週の日曜日から金曜日まで生産を停止したことを発表した。それ以外の龍華、観蘭、太原、鄭州のフォックスコンの生産施設は、まだ電力供給制限の影響を受けていないという。

 フォックスコンの子会社のほか、アップルのトップサプライヤーである欣興電子株式会社も、蘇州市と昆山市の工場で今月末まで生産停止を余儀なくされている。同社は26日に生産停止を確認し、失われた生産量を補うために他の地域の工場で増産すると発表した。

 また、iPhoneの大手組み立てメーカーであるペガトロン社などの企業は、政府が要求する1日あたりの電力消費量の削減を実施するため、工場での減産を余儀なくされると発表した。

 中国にサプライチェーンを持つ多くのチップ部品メーカーは、来月エネルギーの供給停止が発生した場合、業界の運営に深刻な影響が出ると警告している。なぜなら、テクノロジーメーカーにとって9月から11月は、ホリデーシーズンに向けて電子機器を生産する最も忙しい時期であるからだ。この生産時期を逃すと、サプライチェーンの継続が危ぶまれるだけでなく、電子機器の販売にも支障をきたすことになる。

(翻訳・吉原木子)