英政府は、中国最大の国有原子力企業である中国広核集団(CGN)を今後のすべての電力プロジェクトから排除する計画が完成に近づいており、早ければ来月に開催される国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)に先立って発表する可能性があることを、英メディアが25日に明らかにした。
ガーディアン紙25日の報道によると、英国が200億ポンド(約3.03兆円)の原子力発電事業建設計画からCGNを除外し、代わりに納税者の税金で投資することで合意に近づいている。
英国は、イングランド東部のサフォーク州にあるサイズウェルC原子力発電所をフランス電力会社(EDF)と共同で建設することを望んでいる。その場合、現在サイズウェルの20%の株式を保有しているCGNはプロジェクトから外れることになる。
同報道を受け、英政府のスポークスマンは、「CGNは現在、政府が最終的な投資決定をするまで、サイズウェルの株主となっている。交渉は継続中であり、最終的な決定はまだ出ていない」と述べた。CGNもEDFもこれについてコメントしていない。
専門家によると、中国共産党による香港での民主勢力の弾圧やウイグル人の虐殺、武漢肺炎(新型コロナウイルス感染症、COVID-19)の発生初期の隠蔽など、様々な問題でロンドンと北京の関係が近年悪化しているという。ドミニク・ラーブ前外相は昨年、英国側はもはや北京と「これまでの関係」を保つことはできないと述べた。
情報筋によると、英政府は、CGNが上述したこれらのプロジェクトに関与してほしくなく、CGNが異議なく撤退することを望んでいるという。英国のビジネス・エネルギー・産業戦略省のスポークスマンは、英国のすべての原子力プログラムは健全かつ独立した規制の下で実施されており、英国の法律、規制、国家安全保障上の要件を満たすべきであり、英国の利益は保護されなければならないという声明を発表した。
(翻訳・徳永木里子)