25日夜、中国に到着した中国通信機器大手、ファーウェイ副会長兼最高財務責任者(CFO)の孟晩舟氏(ツイッター動画のスクリーンショット)

 25日夜、中国に到着した中国通信機器大手、ファーウェイ副会長兼最高財務責任者(CFO)の孟晩舟氏が英雄に持ち上げられ、空港で歓迎されました。深センの空港には、孟副会長を一目見ようと多くの市民らが詰めかけました。

 しかし、中国の官製メディアは孟氏が24日、「金融機関に虚偽の説明をした」という米司法省側が主張する事実関係を争わず、一部認めることに同意したこと、また同日、中共が収監していたカナダ人2人を釈放したことを報じませんでした。カナダ人2人は元外交官と実業家で、孟氏が2018年12月1日、 米国の対イラン制裁を逃れるため 、金融機関を不正操作した容疑で、米国の要請により、乗り継ぎの空港バンクーバーで、カナダ当局に逮捕された数日後、中共当局にが収監されました。欧米各国から「人質外交」と批判されました。

 孟氏が司法取引に応じたため、米当局は22年12月まで孟氏の起訴を猶予し、その間に合意違反がなければ起訴を取り下げるそうです。しかし違反すれば、認めた詐欺行為は判決の証拠と材料になりかねません。つまり、孟氏は裁判を経て無罪になって釈放されたわけではなく、期限まで無事に過ごせば、起訴されなくなるということです。

 これまで中共政府は「政治的な迫害」と主張してきましたが、 孟氏がいくつかの不正行為を認めたため、いつも反応の早い中共メディアは孟氏が帰国便に乗ってから約5時間後にようやく記事を出しました。さらに、その前に、中共当局はSNS上で孟氏の釈放に関する情報をすべて検閲し削除しました。

 その後の中国側の報道では司法取引に応じたことやカナダ人の釈放については触れず、「罪を認めず釈放された」との一点張りで、中共の偉大な指導力によってまた勝利を勝ち取ったと自画自賛していました。英雄に持ち上げられた孟氏は到着した空港で中共を褒めたたえ、中国人を洗脳する材料にされました。

 25日夜、広東省深圳市の空港に到着した孟氏は赤のワンピース姿で、中共が手配したチャーター機から降り、中国国旗や「帰宅歓迎」と書かれた横断幕を掲げた人々に出迎えられ、花束を受け取り、そして、習近平総書記の名前を挙げ、中共や人民に感謝の言葉を述べました。

 ネット上では「習近平に粛清されないように、忠誠心を表明している」との指摘がありました。

 空港の出口で大勢の中国人が歌いながら歓迎していました。

(新時代Newsより転載)