中国東北部の不動産業界は深刻な不況に陥っている。黒竜江省牡丹江市(ぼたんこうし)の不動産関係者はこのほど、地元で多くの空き店舗が無料で貸し出されている動画を投稿した。

 動画によると、「五洲国際ショッピングモール」の複数空き店舗のオーナーは、管理費と暖房費を払いたがらないため、つまり自分が払わずに済むように、無料で貸し出している。また、繁華街にある60平方メートルの店舗は、年間賃貸料が3.5万元(約60万円)という格安で貸し出されている。

 不動産業界に携わって10年になるある男性は動画の中で不動産業界の変貌を語った。「今は賃貸が無料化になっている。店舗は無料で貸し出される。例えば、五洲国際ショッピングモールにある3階建て68平方メートルの店舗で、管理費と暖房費さえ払えばよい。暖房は使った分だけ支払う」

 同動画は注目が集まっており、ネットユーザーは多くのコメントを残した。

 「今、中国人としてなんと幸せだ。店舗の賃貸料すら無料だ」

 「経済が破綻寸前、客がいなければ、賃貸無料でも赤字になる」

 「賃貸無料でも借りる人がいない」

 「賃貸無料ではなく、譲渡無料だ。 他人に契約を引き継いでほしいのだろう」

 地元住民から、牡丹江市では家賃が安く、ひいては無料でも入居者が集まらないという声もある。「今は失業ブームで、牡丹江市で仕事を見つけるのは容易ではないし、東北部は特に給料が低い。仕事を持っていても、月給が1,500元(約2.6万円)では生活が成り立たない。経済環境全体がだめになった証だ」

(翻訳・徳永木里子)