中国共産党(以下、中共)政府が16日、環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP)への加入を正式に申請した。これに対し、多くの専門家がこのほど、高い参入基準と中国の不公平な市場慣行により、申請が承認される可能性はかなり低いと指摘した。
英字雑誌「外交官」のシャノン・ティエジ編集長は、記事の中で「北京(中共政権)はCPTPPの基準を満たすことができない」と述べた。基準の条項には、関税撤廃にとどまらず、市場の参入、労働者の権利、政府の調達に関する多くの条項が含まれていると、ティエジ氏が強調した。特に、中共が独立した労働組合を頻繁に取り締まり、国有企業に補助金を出すことが加入申請の課題として挙げられた。
「オーストラリアン・ファイナンシャル・レヴュー」紙によると、ダン・テハン豪貿易相は、中共は協定の高い基準を満たし、世界貿易機関(WTO)での公約を果たし、「協定の下で誠意を持って公約を完全に実行する」必要があると述べた。しかし昨年、牛肉、葡萄酒、大麦など200億ドル(約2.21兆円)相当のオーストラリアの輸出品に対する中共が行った禁止・制限は、協定違反とみなされている。
米通商代表部(USTR)のウェンディ・カトラー元次席代表代行は、中共の貿易体制や経済に対する中央管理化への路線を考えると、中共がCPTPPに加盟してから変化していく可能性がないと述べた。
中共がCPTPPに加入するためには、既存の11カ国すべての支持を得る必要がある。日本、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、マレーシア、シンガポール、ベトナム、ブルネイ、メキシコ、チリ、ペルーの11カ国である。
(翻訳・徳永木里子)