中華民国の蔡英文政府は22日、環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP)への加入をニュージーランドに正式に申請した。関係責任者は23日に記者会見を行い、「CPTPP加入に向けて数年前から準備してきた」と述べ、今回の申請がいわば「水到渠成(すいとうきょせい)」とした。これに対し、ニューヨーク訪問中の茂木敏充外相は23日、この申請を歓迎したと述べた。
中華民国行政院は22日、CPTPPへの加入申請を正式に提出したことを発表し、すべてのCPTPP加盟国に支援を求めた。関係する台湾の各省庁は、すでに交渉に向けて準備を進めているという。
中央通訊社(CNA)によると、CPTPP加盟国11カ国との非公式協議を終えた台湾は、加入条件が整ったと評価したため、正式に加入申請を行うことにしたという。
民主進歩党の蔡英文主席は20日、自民党総裁選に出馬している高市早苗衆議院議員とオンライン形式で会談し、米国がCPTPPから離脱した後、日本はリーダーシップを発揮してCPTPPの統合に成功したことを称賛した。蔡氏は、高市氏と日本の友人が台湾のCPTPP加入を支持するよう望んでいる。
高市氏は、台湾のCPTPP加入を支持するほか、台湾の世界保健総会(WHA)、国際民間航空機関(ICAO)、国際刑事警察機構(ICPO)などの国際機関への参加も強く支持すると述べた。高市氏は、「日本は、台湾が国際舞台や国際社会で活躍できるよう、引き続き働きかけていきたい」と語った。
CPTPPの前身は、米国が主導する環太平洋パートナーシップ(TPP)と呼ばれていたもので、オバマ政権時代には自由貿易とグローバル化を推進するための重要な戦略でもあった。2017年にトランプ前大統領が離脱を表明した後、日本は他の加盟国10カ国と会談し、CPTPPとして協定を再構築することを決議した。
(翻訳・徳永木里子)