米国司法省が孟晩舟(もう・ばんしゅう)氏に、自由と引き換えに罪を認めることで交渉しているとカナダのメディアが明らかにした後、米ハーバード大学の学者陶瑞(とう・ずい)氏は19日、ツイッターで交渉の進捗状況を明らかにした。
陶瑞氏によると、孟晩舟側は元々、不抗争の答弁(no contest plea)、つまり、有罪か無罪かについて答弁せず、より多くの罰金を支払うことで訴訟を済ませようとしていた。交渉は順調に進んでいたが、米国政府内部で分裂が生じ、中国共産党に軟弱な態度をとる当局者に不満を持つタカ派人物が、故意にマスコミに情報を漏らして、世論を利用して米司法省に圧力をかけたという。
同氏は、「今ではその圧力が功を奏し、司法府はファーウェイに寛大な和解条件を提供しなくなり、交渉は行き詰まりを見せている」と述べた。
米司法省がファーウェイ、および孟氏の弁護士との間で、有罪を認めることと自由を得ることを交換するための交渉が再開しており、孟氏が有罪を認めて多額の罰金を支払えば、米司法省は引き渡し請求と刑事訴訟を終了させ、孟氏は中国への帰国を許可される可能性があると、カナダ紙グローブ・アンド・メールが情報筋の話を引用して報じた。
同情報筋はまた、今回の交渉は、中国共産党に監禁されている2人のカナダ人、マイケル・コブリグ氏とマイケル・スパバ氏のことに触れなかったと語った。このニュースが報じられた後、世間は中国共産党に強硬な姿勢を見せているバイデン政権が密かに宥和に転じていると考えている。また、米司法省が中国共産党によるカナダ人の解放を交渉に含めなかったことは、バイデン政権がアフガニスタン撤退を英国に事前に知らせなかったことに続き、再び同盟国に背を向けたことだと見られている。
(翻訳・吉原木子)