中国で武漢肺炎(新型コロナウイルス感染症、COVID-19)ワクチンの開発を担当した中国共産党(以下、中共)軍の陳薇(チンウェイ)少将は、カナダで唯一のバイオセーフティーレベル4実験室(P4実験室)を有する国立微生物学研究所(NML)と密接に連携していることが16日、カナダのメディアに暴露された。
カナダ紙「グローブ・アンド・メール」16日の報道よると、ウィニペグに位置し、カナダでセキュリティが最も高く、感染症を専門とする国立微生物学研究所で、7人の専門家と「中共軍の研究者」は実験を行い、エボラ出血熱、ラッサ熱、リフトバレー熱などの感染症に関する6本の論文を共同で作成し、2016年から2020年にかけて次々と発表した。
NMLと共同でウイルスを研究し、論文を執筆した「中共軍の研究者」とは、陳薇氏である。
陳薇氏は、長年にわたりバイオハザードの予防と制御の研究に携わっており、特に高病原性微生物に対する新しいワクチンや治療薬の開発に力を入れている。湖北省武漢市が封鎖された当初、軍の医療専門家を率いて武漢市に行き、火神山医院と実験室でワクチンを開発した。
カナダ安全情報局(CSIS)の元司令官アンディ・エリス氏は今年5月、カナダ公衆衛生局(PHAC)が中共軍と協力していることは「非常識」であり、中国軍の科学者をNMLに入れることに最高レベルの安全許可を必要としても、PHACは素性が知らない人を入らせたと猛烈に批判した。
PHACは16日、カナダのプライバシー法により、陳薇氏がNMLを訪れたかどうかは公表できないと回答した。
(翻訳・徳永木里子)