米国、英国、オーストラリアの首脳は15日、共同ビデオ会議で、インド太平洋地域における米英豪3カ国の新たな安全保障協力の枠組み「AUKUS」(オーカス)を 結成したことを発表した。3カ国が21世紀の課題に対応するために外交、安全保障、防衛協力を強化する。中国共産党への対抗を念頭に安保協力を強化し、米英は豪州の原子力潜水艦の保有を支援する。
AUKUS三国間協定の枠組みの下で、3カ国は人工知能(AI)やサイバー、などの最先端技術、サプライチェーン(供給網)などの分野での連携を強化し、インド太平洋地域の戦略的な環境に対応するという。
特にオーストラリアが力を入れる高性能の潜水艦能力をめぐっては「AUKUS」の最初の取り組みとして、米英が原子力潜水艦の技術を供与する。原潜はステルス性に優れ、長距離潜航が可能となる。最も機密性が高い軍事技術で、米国がこれまでに供与したのは英国のみだ。今後18カ月間、3カ国でチームを結成して計画策定にあたるという。
バイデン米大統領は、「インド太平洋地域の長期的な平和と安定を確保する必要があることを認識しており、この地域の現在の戦略的環境とその可能な進化に対処する必要があります。なぜなら、私たちの国、そして世界の未来は、自由で開かれたインド太平洋地域が今後数十年にわたって繁栄できるかどうかにかかっているからだ」と述べた。
ジョンソン英国首相は、英語圏の海洋民主主義国3カ国が連携を強化し、現在世界に影響を与えている複雑化した地域問題により多くの注意を払う中で、この同盟は3カ国をより緊密に結びつけるだろうと指摘した。
オーストラリアのモリソン首相は、「米国、英国、オーストラリアの3カ国は物事に対する見方が似ており、世界情勢がますます複雑化する中で、新しい課題に対応し、同地域が必要とする安全性と安定性を実現するために、我々は今、パートナーシップを新たなレベルに引き上げなければならない」と強調した。
これは、インド太平洋における中国共産党の脅威を明確に標的とするもう一つの民主主義国の同盟である。米国・日本・インド・オーストラリアの四者同盟に続き、インド太平洋における中国共産党の脅威を明確に標的とするもう一つの民主主義国の同盟である。
(翻訳・吉原木子)