蔡英文総統は14日、台湾北部・新竹市の国家宇宙センター(国家太空中心、NSPO)を視察した。台湾の宇宙産業が世界市場に進出する力を有しているとして、宇宙技術分野の国家チームを立ち上げる考えを示した。

 台湾では今年5月、宇宙開発の基本原則を示す「太空発展法」が成立した。宇宙産業を「6大核心戦略産業」の一つとしたほか、2019年に承認した第3期国家宇宙技術発展長期計画にも2028年までの10年間で251億台湾ドル(約997億円)を投じ、10機の衛星を独自に開発し、衛星産業のサプライチェーンを確立することを目指す。低軌道衛星(地球表面から2000km以下)への投資や開発を積極的に行う。

 蔡英文は14日に新竹市を訪れ、台湾の宇宙産業の発展に期待を表明した。「ここ数年、小型衛星『福衛5号(フォルモサット5号)』から『福衛7号(同7号)』までの打ち上げに成功し、人工衛星を自主開発できる台湾の実力を見せ始めている。したがって、私たちの第3期国家宇宙計画は、10年間で総額251億台湾ドルを投資する」

 蔡氏は、現在世界各国が積極的に宇宙進出を図っており、今後10年以内に万単位の低軌道衛星が打ち上げられる見込みで、衛星本体の製造のほか、地上設備システム整備の需要が高まると述べた。「台湾はこのビジネスチャンスをつかみ、今から積極的に宇宙進出し、宇宙技術の台湾国家チームを積極的に作らなければならない」

 また、宇宙技術の開発を強化することで、新たな宇宙時代における台湾の戦略的地位を得ることができるとも述べた。

(翻訳・藍彧)