ウクライナ軍は12日、親ロシア分離主義者が過去24時間にわたり、ウクライナの陣地に大口径砲、榴弾発射機と無人航空機などで砲撃し、兵士3人が死亡、10人が負傷したと発表した。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、ウクライナとロシアの全面戦争の可能性があると考えている。
2014年にロシアがクリミア半島を併合した後、ウクライナ軍はドネツク及びルガンスクにいる分離独立派の武装勢力との衝突が絶えなかった。2014年9月と2015年2月に国際社会がミンスクで停戦合意を仲介してからは、大規模な武力衝突は収まったが、小規模な紛争がたびたび発生している。
ウクライナ軍によると、今年に入ってから少なくとも53人のウクライナ人兵士が殺害されたという。11日にはさらに2名の兵士が死亡、10名が負傷し、12日にも1名が死亡した。衝突のほとんどは東部のドネツク地域で起きていた。
ロイター通信の報道によると、ゼレンスキー大統領は12日、キエフで開かれたヤルタ欧州戦略会議(YES)フォーラムで、ロシアとの全面戦争が本当に起こるかという質問に「可能性はあると思う」と答えた。
ゼレンスキー氏は、「問題は、今日、ロシアがウクライナの独立した情報政策を尊重しないことで、ウクライナの人々のロシアに対する態度が損なわれ、関係が残っていないことだ」と語った。
また、ゼレンスキー氏は、米国とウクライナの関係についても言及した。同氏は「ウクライナと米国の関係は改善されたが。ウクライナのNATO加盟要請に対して明確な回答が得られなかったことを遺憾に思う」と述べた。
(翻訳・吉原木子)