現代社会では、バスや地下鉄、電車など至る所でヘッドホンやイヤホンを装着する人を良く見かけますが、自分の世界に浸ることができ、音が漏れなければ他人に迷惑をかけることもありません。しかし長時間装着すると、耳への損傷は軽視できず、聴力に深刻な影響を与える可能性があります。
人間の耳には有毛細胞の一種である聴覚細胞がありますが、この細胞は数が少なく、損傷しても再生されません。現代ではほとんどの人がイヤホンを使用しているため、耳へのダメージはより深刻化しています。鼓膜が長時間振動することで有毛細胞に大きなダメージを与え、聴力に影響を与えるだけでなく、外耳道の空気循環が悪くなり、細菌が繁殖して中耳炎になることもあります。医学研究によると、人間の耳が100デシベル以上の音量に長時間さらされると、不可逆的な聴覚障害を起こす危険性があることがわかっています。耳を保護し、聴力低下を防ぐために、ヘッドホンやイヤホンを長時間装着する以外、以下のようないくつかの悪い習慣を改善しましょう。
1.カラオケによく行く
多くの人はカラオケに行くのが好きで、それはストレスを解消するのに良い方法ですが、通常、カラオケの音量は非常に大きく、数百デシベルにもなり、何時間も続くことで、耳のしびれ、難聴、耳の痛み、耳鳴りなどを引き起こす人が多いです。そのような環境によくいると、耳が聞こえにくくなりがちです。
2.ヘッドホンやイヤホンをつけて寝る
音楽を聴きながら寝る習慣が、鼓膜や蝸牛を近距離・高周波で刺激するので、耳鳴りや難聴を起こしやすく、結果的に聴覚に後遺症が残ることになります。また、横向きに寝ると、ヘッドホンやイヤホンが枕で圧迫されて外耳道の皮膚が傷つき、耳を痛めつけてしまうこともあります。
3.過剰な耳掃除
耳垢は不衛生なものと思われ、いつも手や道具を使って擦り取っている人が多いです。耳垢は、外耳道の耳垢腺から分泌される油状の物質が乾燥したもので、一般的には自然に排出されます。激しい耳掃除は、外耳道の皮膚バリアを傷つけて細菌感染を引き起こすだけでなく、鼓膜を損傷して聴覚障害を引き起こす可能性があります。
4.鼻を強くかむ
風邪をひいて鼻をかんだとき、頭に強い痛みを感じることがあるでしょう。鼻を強くかみすぎると、耳管や鼻涙管から雑菌が耳に入り、耳に軽い違和感を感じたり、鼓膜が破れたり、中耳に膿が出たりと、様々なトラブルの原因にもつながります。
それから耳が遠いのは、お年寄りだけのもので、若い人には縁遠いものだと思われがちですが、耳の手入れを怠ると、若くして聴力を失ってしまうことも珍しくありません。
日常生活の中で、耳の衛生に気を配り、外耳道を清潔に保つことはもちろん、ヘッドホンやイヤホンの長時間の使用を控えたり、騒音のある場所への訪問を控えたり、耳をほじる回数を減らしたりすることも大切です。それに加えて耳門(じもん)、聴宮(ちょうきゅう)、聴会(ちょうえ)のツボをマッサージして両耳の聞こえを良くするという耳への気配りもしていくと、なお良いしよう。
(翻訳・玉竹)