ストルテンベルグ事務総長(Magnus Fröderberg/norden.org, CC BY 2.5 DK , via Wikimedia Commons)

 北大西洋条約機構(NATO)のイェンス・ストルテンベルグ事務総長は6日、中国共産党(以下、中共)の核戦力の増強に警鐘を鳴らし、北京に対して核兵器を制限する国際的な取り組みに参加するよう呼びかけた。

 ストルテンベルグ氏は、6日にデンマークの首都であるコペンハーゲンで開催されたNATOの年次軍備管理会議で、「中共の核兵器は、より多くの弾頭とより高度な運搬システムを備え、急速に拡大している。また、大量のミサイルサイロを建設しており、核戦力を大幅に増強する可能性がある」と述べた。

 ここ数カ月、米政府関係者も中共の核保有について同様の懸念を示している。8月初め頃、アントニー・ブリンケン米国務長官は、中共の核保有量の急速な増加に伴い、「最小限の抑止力に基づく数十年にわたる核戦略から大きく逸脱している」と発言した。

 米国科学者連盟(FAS)とジェームス・マーティン不拡散研究センター(CNS)は、中共が中国西部の2つの地域で200以上の核サイロを建設していることを明らかにした。

 ストルテンベルグ氏は、より多くの国、特に中共に対して、将来の核兵器の制限に関する交渉に参加するよう求めた。「中共は世界の大国として、軍備管理におけるグローバルな責任を負っている。そして中共は、互いに量的制限を設け、透明性と予測可能性を高めることで受益できる。これらは、国際的な安定の基礎となるものである。 また、自律型プラットフォームや人工知能などの新興技術は、いずれも兵器化される可能性があるため、今後の軍備管理交渉にも含まれるべきだ」と述べた。

(翻訳・徳永木里子)