9月5日、フランス北西部に隕石が上空を通過している(ツイッター動画のスクリーンショット)

 フランス北西部にあるブルターニュ州で5日23時50分頃、白い光を放つ隕石が上空を通過しました。多くの人がこの一幕を撮影しました。SNS上の動画を見ると、この隕石は西の空から現れ、通過したところは一瞬で明るくなり、数秒後に空の彼方に消えました。

 米ニュースサイト「阿波羅ネット」の8日付の記事によると、深夜に白い光を放つ物体が爆音を伴って空を通過したことを目撃した住民は1000人にも上り、心配のあまり、消防署と治安を維持する国家憲兵隊に電話で通報した人も多くいました。

 後に、フランス国立宇宙研究センター(CNES)の科学者フランシス・ロカード氏 は「明らかにある物体が大気圏を通過してきた」と見解を述べました。今回の隕石落下によりもたらされた被害は今のところは不明です。

 8年前には、ロシアで隕石落下による初の人的被害が起きました。2013年2月15日にロシアのチェリャビンスク州付近で落下した隕石は、大気圏を超音速で通過し、さらに大気との圧力に耐え切れず分裂するという2つの現象によって発生した衝撃波により、4千棟以上の建物の窓ガラスが割れたり、ドアが吹き飛ばされるなどの被害が発生し、約1500人が怪我をしました。指が切断されるなど重傷を負った人もいましたが、幸いなことに死者は出なかったようです。被害範囲は南北180 km、東西80 km に及びました。米航空宇宙局(NASA)によると、隕石の大気圏突入前の重さは約7千t、直径は約15mと推計されています。

(新時代Newsより転載)