9月5日未明、ブラックスワンが天安門広場に飛来し、傍若無人(ぼうじゃくぶじん)で天安門広場の中央を散歩していた。その後、小雨が降ってきたが、ブラックスワンは依然として飛び立つ気配はなく、広場のスタッフがブラックスワンにのために傘をさしのべてくれたほどだった。ネットユーザーたちは、天安門広場にブラックスワンが舞い降りたことは不吉な兆候だとし、これは今年初めに習近平氏が言及した「ブラックスワン」と「灰色のサイ」に呼応している。

 地元メディアの報道によると、5日早朝、天安門広場で行われた国旗掲揚式の後にブラックスワンが飛来し、天安門広場で羽繕いをしている姿が目撃されたという。広場のスタッフは秩序を維持し、周囲の見物人の群れを分散させていた。午前7時10分、雨が降ってきたが、まだ飛び立つ気配はなかった。8時、ブラックスワンは動物保護部門に引き取られ、北京市順義区に送られた。

 ネットユーザーが投稿した動画では、天安門広場の真ん中で、多くの観光客に囲まれながらも、ブラックスワンはそれらをまったく無視して、頭を下げて散歩したり、餌を採ったりしている様子が映っている。パトカーが近くに走って来て、パトライトを点滅させていた。警察官は秩序を維持し、周囲の民衆にブラックスワンのための場所を確保させた。

 中国共産党中央委員会政治局は1月28日、いわゆる「第14次5カ年計画」の優先事項に関する「集団学習」を行った。習近平氏は集団学習で、「様々な危険と挑戦をよく予測しなければならず、様々な灰色サイとブラックスワン事件によく備えなければならない」と述べた。灰色サイとは、予想できるが見過ごしやすい危険を、ブラックスワンとは、発生する確率は低いが一度起きれば大きな衝撃を与える危険を意味する。習氏はそれが何の事件であったかを明確に言わなかった。

 ネットユーザーからは、「脆弱な金融システムが今一番恐れているのは『ブラックスワン』だ」「『ブラックスワン』が来たなら、『灰色のサイ」は遠くないだろうか」「素晴らしい、中国共産党幹部が恐れるブラックスワン事件が今、まさに起きている」となどのコメントが寄せられている。

(翻訳・藍彧)