フェイスブックは、人々の日常生活に深く浸透しており、最も人気のあるスマートフォンアプリ100個のうち、61個にフェイスブックのトラッカー(注)が組み込まれていると、ワシントンポスト紙8月29日の報道で明らかになった。これらのトラッカーは、ネット上での人々の行動を監視することができる。
「フェイスブックを使っていなくても、逃れられない」というタイトルの記事では、フェイスブックが多くの人々の日常生活に浸透しており、同プラットフォームを利用していない人でも、その監視から逃れることはできないことを紹介した。
同紙は、ミーガン・ボロビッカさんという女性にインタビューした。彼女は2013年にフェイスブックに新規登録し、その後アカウントを持っていることを忘れ、ログインもせず、再びフェイスブックを利用することもなかった。一般の方は、フェイスブックは休眠中のアカウントからデータを収集しなくなると思うだろうが、実はそうではなかった。
同紙の調査によると、フェイスブックは過去8年間にわたり、ボロビッカさんの生活に関する極めて具体的な情報を収集し、収入源から好きな下着ブランドまで、彼女のすべてを知り尽くしている。
ボロビッカさんは「フェイスブックを使わなければ、その監視下にはないと思っていた」と語った。 しかし問題は、情報を収集しているのはフェイスブックのアプリだけではなく、フェイスブックがすでに思ったより大きくなっており、他の数百万もの企業やアプリ、ウェブサイトの重要な構成要素となっている。これらの組織は現在、フェイスブックに代わって情報を収集している。つまり、人々がフェイスブックのアプリやウェブサイトを定期的に利用していなくても、これらの企業はあなたを追跡している。
フェイスブックは、トラッキングソフトウェアをビジネスパートナーに提供し、アプリやウェブサイトに組み込んでいる。その後、ユーザーの詳細情報がフェイスブックに送信され、フェイスブックはユーザーのアカウントとマッチングしようとする。アプリの調査会社「Sensor Tower」によると、フェイスブックのトラッキングソフトウェアは、最も人気のあるスマートフォンアプリ100個のうち61個に搭載されている。プライバシーソフトウェア開発会社「Ghostery」(ゴースタリー)も、同社のウェブサイトの約25%にフェイスブックのトラッカーが設置されていると主張した。
注:トラッカーとは、ネット上で追跡者を意味し、どのようなウェブサイトを閲覧したかのアクセス解析に用いられるプログラムの総称である。一部のウェブサイトにはトラッカーの機能が仕込まれ、アクセスしてきたユーザーがどのようなアクションを行うか記録できる。
(翻訳・徳永木里子)