ハリケーン「アイダ」が現地時間の29日午後１時頃、米南部ルイジアナ州ポートフォーション付近に上陸した。ニューオーリンズ全域を含むルイジアナ州とミシシッピ州において、100万軒以上が停電し、少なくとも2人が死亡した。洪水で閉じ込められた人々を救出するために100隻以上のボートやヘリコプターが出動し、損傷した送電網を修復するために電力会社の修理員がすぐに現場に駆けつけた。

　米国本土を見舞った史上最強のハリケーンの一つとなったカテゴリー4のハリケーン「アイダ」は、発達した状態で29日にルイジアナ州に上陸した後、30日にはようやく勢力を弱め、熱帯低気圧になった。

　ルイジアナ州のジョン・ベル・エドワーズ知事によると、ルイジアナ州兵4,900人以上が動員し、住民支援のために195台の水上車、73隻の救援船舶、34機のヘリコプターを手配して、洪水に取り囲まれた人々の救助にあたったと発表した。また、地方や州の機関も同様の救助施設を数百も設置している。

　知事のオフィスによると、電力網へのダメージは「壊滅的」であるようだ。エドワーズ知事は29日、州内の3万人の電力会社社員が電力供給の復旧作業をしていると述べた。地元警察官は、電力の完全復旧には数週間かかると述べた。ニューオーリンズは「アイダ」が上陸してから、すでに24時間も停電している。

　今のルイジアナ州は真夏日であるため、電気がないと多くの人が冷蔵庫やエアコンが使えなく、非常に厳しい状態になっている。

　電気や燃料が不足しているため、ニューオーリンズ市の緊急対策本部長であるコリン・アーノルド氏は、退避した人たちに「戻る理由があまりない」として、少なくとも数日間は離れるように促した。

　ハリケーン「アイダ」の風速は150mph（240km/h）で、米国本土を見舞った史上5番目の大型ハリケーンであり、ルイジアナ州に上陸した2番目の強いハリケーンとなる。30日の正午頃には、風速は時速40マイル（64キロ）まで低下し、熱帯低気圧になった。

　ミシシッピ州ジャクソンの北北西35キロの地点にあり、内陸で大雨をもたらし、鉄砲水を発生させる恐れが依然としてあるとした。

(翻訳・藍彧）