世界保健機関(WHO)の文書によると、新型コロナウイルスワクチンを共同購入し途上国などに分配する国際的な枠組みであるCOVAX(コバックス)は、9月末までにアフリカとアジアを中心に1億回分の中国製ワクチンを配布する予定。同プログラムが中国製ワクチンを配布するのは初めてだ。しかし、流行が続いているにもかかわらず、中国製ワクチンの受け入れを拒否している国もある。
ロイター通信26日の報道よると、各国の専門家の間では中国製ワクチンの有効性が疑問視されていることや、中国共産党の「ワクチン外交」に国際的な疑問が持たれているが、世界的なワクチン供給不足の問題や、ワクチンの主要生産国であるインドの輸出規制などにより、COVAXは初めて中国製ワクチンを配布することにした。
7月29日付のWHOの文書によると、配布される1億回分の中国製ワクチンのうち、半分はシノファーム社、残り半分はシノバック社が供給し、出荷は7月~9月を予定している。1億回分のうち3分の1はアフリカ諸国に配布される予定。
しかし、すべての国が中国製ワクチンを欲しがっているわけではない。COVAXがアフリカにおける中国製ワクチンの最大の受領国の一つとして挙げている南アフリカには、250万回分のシノバック製ワクチンが割り当てられている。しかし、ワクチン接種を監督する南アフリカの保健省副大臣のニコラス・クリスプ氏は、同国は現在、これらのワクチンを受け取ることができないと述べた。「デルタ変異種に対するシノバック製ワクチンの有効性については十分な情報がなく、また、エイズウイルス(HIV)感染者への使用に関するデータもないため、COVAXからシノバック製ワクチンを受け入れることはできない。我々の評価と計画のプロセスでは、まだ早すぎるからだ」
(翻訳・徳永木里子)