中国の有名な自由派経済学者・茅于軾氏(パブリック・ドメイン)

 中国の有名な自由派経済学者・茅于軾氏(92)が公の場で離党すると宣言した動画が最近、海外のSNS上で再注目されています。茅氏は中国に数々の災難をもたらしたと毛沢東を批判したことでも有名です。茅氏の離党宣言は習近平総書記の癪に障ったと言う人もいます。 

 離党したがるのは、茅氏のような知識人だけではなく、幹部から庶民まで多くの中国人が中共の本質を見抜いてその組織から脱退したいと考えています。米紙エポックタイムズが200411月から『共産党についての九つの論評』という社説を連載してから、中共組織から離党、退団した中国人はすでに38千人に上りました。

 茅氏が201812月、VOAのインタビューで「共産主義の思潮は過ぎ去った。私もよく考えた末、中共に在籍し続けたくはない。知識人の間ではこのような考えが多い」と語り、離党すると宣言しました。 また、「中共はすべての人をコントロールしようとして、すべての所に党の組織を置こうとしたが、実現できなかった。特に民間企業では、全くコントロールできていない」と明かしました。 

 また「規則には離党できると記してあるが、実際は、離党は許されない」と指摘しました。そこで思いついた方法は「何年にもわたり、会費を納めないこと」だそうです。

 中国の憲法に「中国は人民民主独裁(専政)」とあることについて、「これは大きなジョークだ。なぜかというと、民主主義を実践している国が、同時に独裁主義を実践することは不可能であり、独裁主義を実践している国が同時に民主主義を実践することも不可能だ」と矛盾を指摘し、「世界の笑いものになった。そのような非論理的なことが厳粛な憲法に書き記されてある」と批判しました。 

 茅氏は「現在の中国は独裁社会と言える」と論評しました。 また、中国でよく登場する「国家転覆罪」について、茅氏は「国家転覆というのは理に通じない」 と指摘し、「政府、指導者を転覆、変えることはできるが、国家は転覆できない」と説明しました。 

 そして、「世の中は変化しており、国内外の各方面は、民主主義、法治、立憲主義、人権の方向へ進んでいる。 つまり、(中共が)やる気があるか否かに関係なく、これは現実となっている」と話し、中国もいずれ民主主義へ歩むしかないと予測しました。 

(新時代Newsより転載)