ウクライナ南部にある都市オデッサの地元当局は25日、旧ソ連の独裁者ヨシフ・スターリンによる「大粛清(注)」の犠牲者とみられる5.000~8.000人の遺骨が発見されたと明らかにした。
それらの遺骨は、オデッサの空港付近の20か所余りで見つかり、これまでウクライナで発見された集団墓地としては最大規模。
国立記憶研究所の地方館長を務めるセルゲイ・グツァリュク氏はこれらの遺骨について、国家保安委員会(KGB)の前身で、スターリンの秘密警察として知られた内務人民委員部(NKVD)が1937年から1939年にかけて処刑した人々とみている、とAFPに話した。
ウクライナの歴史家の推計によると、1930年代にスターリンが反体制派を粛清した際、数十万人ものウクライナ人が強制労働キャンプに収容・処刑されたという。最もよく知られている処刑場の一つは、ウクライナ首都キエフの郊外にある村ビキブニア近くの森で、1937年から1941年にかけて数十万人が埋葬された。また、ウクライナでは、1932年から1933年にかけて数百万人が犠牲になった大飢饉(ききん)が、スターリン主導のジェノサイドと見なされている。
社会主義体制を厳しく批判した元ユーゴスラビア副大統領のミロヴァン・ジラス氏はかつて、「共産主義者は人類の歴史の中で最も残虐な集団であり、最も恥知らずで卑劣で不謹慎な集団である」と述べた。
『共産主義黒書』によると、20世紀には、共産主義革命によって亡くなった人の合計は約1億人で、地域別分布は、ソ連2000万人、中国6500万人、ベトナム100万人、北朝鮮200万人、カンボジア200万人、東ヨーロッパ100万人、ラテンアメリカ15万人、アフリカ170万人、アフガニスタン150万人となっており、そして政権を握っていない国際共産主義運動者は約1万人となっている。
共産党が絶えず恐怖を作り出しているため、一部の国では、自国に存在する共産党とその関連団体をテロ組織と公式に認定している。さらに、共産主義を一部の邪教やテロ組織と同じように扱う国もある。米国で市民権を申請する際には、ナチスや共産主義の組織に所属していたかどうかを明記しなければならない。
実際、今日の世界のテロ組織のほとんどは、中国共産党とつながっていると、大紀元評論は指摘している。「中国共産党は世界テロリストの背後にある最大のバック勢力であり、中国共産党の邪悪な要素は、根強い邪悪な価値観を持つテロリストたちの精神的支柱となり、彼らに共生の土壌を提供している。これを無視しては、テロ対策は根本的に成功しないし、最終的な勝利も得られない」
注:大粛清とは、旧ソ連の最高指導者ヨシフ・スターリンが1930年代にソビエト連邦および衛星国のモンゴル人民共和国等で実行した大規模な政治弾圧を指す。旧ソ連共産党内における幹部政治家の粛清に留まらず、一般党員や民衆にまで及んだ大規模な政治的抑圧として世界でも悪名高い出来事である。
(翻訳・藍彧)