習近平中国共産党総書記が「共同富裕」という政策を打ち出したところ、早速一部の中国億万長者が部分資産を寄付した。
ブルームバーグ26日の報道によると、今年に入って以来、雷軍氏、張一鳴氏、王興氏など7人の億万長者が計50億米ドル(約5千億円)を寄付した。これは2020年の中国全国の慈善寄付金額より20%多い。また、「共同富裕プロジェクト」に500億人民元(約8千億円)を寄付したテンセントをはじめ、多くのテック大手が会社の利益を寄付すると約束した。
「共同富裕」という政策の詳細はまだ不明であるが、中国共産党の公式メディアでは、「富の第3次分配(個人の寄付や企業の慈善事業を含む)」や政府と市場の介入に言及した。
香港不動産仲介大手である中原地産(センタライン・プロパティーズ)の施永青会長は、「共同富裕」は結果的に「共同貧困」になるかもしれないと指摘した。「中国共産党政権は執政初期に農村で『人民公社』や『大釜飯(注)』という政策を実施していたが、人それぞれの努力にかかわらず、成果はみんな同じである。その結果努力しない人がどんどん増えて、経済成長が止まってしまった」
注:大躍進の時代に農民が農村食堂へ行って、同じ食べ物を食べること。比喩的に;仕事の量の多少,質の良否にかかわらず、待遇が一律であること。
(翻訳・吉原木子)