香港政府は24日、香港版国家安全維持法(国安法)に基づいて映画検閲条例を改正すると発表した。免除や承認を受けていない映画の公開に対する罰則が強化されるだけでなく、国家安全保障に悪影響を及ぼすとされる特定の映画については、免除や認可が取り消されることになる。
ボイス・オブ・アメリカ(VOA)によると、香港の邱騰華(エドワード・ヤウ)商務・経済発展局長は24日の記者会見で、今回の法改正の目的は、さまざまな分野で国安法を実施することと、映画業界に明確なガイドラインを提供し、業界関係者が規制に引っかからないようにすることだと述べた。
ロイター通信は、この動きは、香港の自由がさらに縮小していることを示す新たな指標であると伝えた。
香港政府は、今後、免除や承認を受けていない映画の公開には、より重い罰則を科すとしている。同条例に違反した場合、最大で3年の懲役と100万香港ドル(約1410万円)の罰金が科せられる可能性がある。また、政府は、国家安全保障に悪影響を及ぼすとされる特定の映画について、免除や承認を取り消す権限を行政長官に与えている。
同法案は27日に公布され、9月1日に立法院で第1・第2読会(議会における審議方法の一つである)が行われる。
映画検閲は、香港では目新しいことではない。しかし、長い間、映画検閲の焦点は、暴力、強盗殺人、ポルノなどの内容に当てており、視聴者の年齢層に合わせて分類することが多く、政治的内容の検閲はほとんど行われていなかった。
国安法の施行後、香港の映画検閲はますます政治的で厳しくなっている。新版修正法案は、香港の映画関係者の活動空間をさらに狭めただけでなく、投資家が香港映画から離れていくのではないかと業界に懸念されている。
(翻訳・徳永木里子)