一部の欧米諸国にテロリストと見なされているタリバン勢力は15日、アフガン首都を抑えた後、民衆の抗議活動や記者に対し厳しい弾圧を行いました。タリバンは在留の米国人に暴力を振るう一方で、在留の中国人に対しては友好な態度を示し、違う態度を見せました。
米政府は自国民を退避させるため、タリバンと協議した末、米軍がしばらくカブール空港を管理し、脱出を図って空港に集まった自国民などを帰国させるようです。しかし、空港までの道のりの安全は脱出者の自己責任となります。空港以外ではタリバン戦闘員が厳しく取り締まっており、危険が常に伴う状況です。実際、複数の米国人が空港にたどり着けず苦慮しているといいます。
米紙エポックタイムズの21日付によると、ペンタゴンのジョン・カービー報道官は21日、「アフガンで一部の米国人が嫌がらせや殴打された。米国側はタリバン側に、米国人への暴力は受け入れないと伝えた」と明かしました。そして、米国の要求はすべての戦闘員が知っているとは限らず、全員が上層部の命令に従うとも言えない状況だと説明を加えました。
ペンタゴンの発表と同時に、在アフガンの米大使館はカブール空港に行かないよう在留米国人に呼びかけました。米軍は空港までの道のりの安全を保障できないからだそうです。米国人の命が危険にさらされている現状に対し、米両党は共にバイデン政権が失策したと批判しており、左派である米主要メディアもバイデン氏には説明する責任があると指摘しています。
バイデン氏への逆風はこれだけにとどまらず、米軍が撤退する際に起きたこの動乱について、世論調査で約7割の米国民がバイデン氏の撤退対策に否定的な態度をとっています。米世論調査会社トラファルガー・グループが発表した新しい世論調査によると、米国民の69%がバイデン氏のアフガン関連対策に不満を持っており、満足しているのはわずか23%にとどまっています。 同世論調査は、タリバンにより首都カブールが陥落し、アフガンが劇的に変化する重要な時期14~15日にかけて行われました。
タリバンが在留米国人に暴力を振るっていますが、中国には違う態度を示しました。米紙World Journalの20日付によると、タリバン戦闘員は民衆に仕事に復帰するよう一軒ずつ催促しているそうです。首都カブールにあるショッピングモール「中国城」の副支配人・李西京氏はタリバンの戦闘員は仕事のことで訪れた同社のアフガンスタッフに対し、「中国人とは友人だ。トラブルや困難があれば何でも言って」と話し、非常に態度が良かったと明かしました。タリバンは首都を占領する20日前に中共の外相と会談し、アフガンを掌握した後も、中共の外交部報道官は「これはアフガン人の選択だ」と擁護し、在アフガンの中国大使館を退去させませんでした。そのため脱出したい在留中国人は自力でするしかありません。
現在、タリバン幹部が中国製の「高級車」を使用している写真がネット上に出回っており、戦闘員が中共を友人と見ても不思議ではないようです。
しかし現在、タリバンは国の経済をどのように成長させるかなど重要な課題に直面しています。タリバンは今まで、国を治めるのとは正反対の麻薬、密輸や略奪など正常な国では犯罪となる行為で維持してきたため、今後、その統治の力量が問われます。
(新時代Newsより転載)