中国政府が7月下旬に発表した「双減(そうげん)」政策が、中国国内で衝撃を与えている。「双減」とは、小中学生の宿題を減らし、学習塾などの学校外教育の負担を軽減するというものだ。中国当局は学校外教育機関の取り締まりを強化しているが、民間の塾に対する需要は依然として高く、多くの塾は「地下活動」に走った。さまざまなプラットフォームで広告を出し、中には「暗語」を使っているところもある。最近では、「国と党を愛する指導」と謳った勉強合宿の募集パンフレットがSNSで出回っているが、実際の内容は数学コンテストである。
中国共産党の機関紙「北京日報」によると、最近、天津で行われるいわゆる「愛国教育」の学習キャンプのプログラムが、北京の多くの小学生の保護者グループに広まっている。同学習プログラムのキャッチフレーズは「党への愛、国への愛、社会主義への愛の教育を推進する」となっており、いわゆる「百年の初心を忘れず、歴史的使命を実践する」をテーマにした教育的学習シリーズである。
しかし、イベントの申し込みリンクをクリックすると、出てくるのは「華数之星」(数学コンテスト)の申し込みや問い合わせフォームである。多くの公式アカウントは同学習キャンプについて、「この学習キャンプは『非常に有意義である』」と含みを持たせた紹介をしている。
「華数之星」の前身は小中学校の4大数学コンテストの1つであり、現在は青少年向けの数学コンテストである。
「華数之星」が看板を塗り替えて、地下に潜って宣伝・開催し続けていることは、民間での需要の多さを物語っている。実際には、これらのコンテストが体裁をどう変えようと、我が子のためにという保護者の申し込みを阻むことはできなかった。なぜなら、これらのコンテストの成績は、良い中学校に進学させるために必要だからだ。
昨年12月30日、中国国務院教育監督指導委員会弁公室は、いかなるコンテストでの賞をも初等教育の進学に結びつけないと改めて表明した。 しかし、実際の学校入試では、これらのコンテストで賞を獲得できることが、生徒の優れた成果の証明となっている。
一部のネットユーザーのソーシャルメディアでの暴露によると、上記のケース以外にも、現在は一部のトレーニング機構の講師が密かに「少人数制のクラスを運営している」という。ひいては、一部の教務・トレーニング担当者はゲームセンターにまで行って宣伝しており、笑うに笑えない話だ。
(翻訳・藍彧)