中共の習近平総書記は近年、中国国内で人権を唱える弁護士や記者などを大量に逮捕し続けながら、新疆ウイグルのジェノサイドやモンゴル人の民族文化の絶滅政策などを実施しており、また、経済や教育などの業界を厳しく取り締まるなど、鎖国へと突き進んでいます。国際社会でも香港の一国二制度を実質上なくし、南シナ海などでの紛争や台湾への武力脅迫など、他国とのトラブルも絶えませんでした。
このような習総書記の独裁ぶりに、ついに欧米社会の堪忍袋の緒が切れたようです。
投資家のジョージ・ソロス氏は13日、米紙『WSJ』に『習近平の独裁が中国を脅かしている』と題した文章を投稿し、「習総書記が世界の自由社会において最も危険な敵である」「中国人全員が被害者となっている」と指摘しました。
翌日14日、ドイツ国営メディアのドイチェ・ヴェレは、ドイツの週刊誌『フォークス』の「中国には新たな悪魔・毛沢東が現れた」との論評を引用して、「一帯一路が外国人を陥れている」と習総書記を厳しく批判しました。
しかし、欧米社会は中共の本質について、本当に完全に見抜いているのでしょうか?
「VOA」の17日の記事では、米大学教授は「欧米社会は中共をこれまでより理解できたが、まだ完全ではない」と指摘し、習近平のような独裁者が現れることは中共の本質によるもので、今後も同じことが続き、中共に希望を持ってはいけないと警鐘を鳴らしました。
同記事で、中国人権弁護士で、現在米シカゴ大学客員教授の滕彪氏によると、中共は国内外のさまざまな危機に対応するため、習近平を選んで独裁者の役割を「演じさせている」というのです。
また「毛沢東の個人崇拝の独裁とほぼ同じだ」と述べました。習総書記のこれまでのやり方について、滕氏は「これは習近平の傍若無人の態度と考え方によるもので、彼の頭の中には自由・民主・立憲といった概念が全くなく、銃さえあれば政権が維持できると、中国が経済・軍事などの各方面において米国を追い抜ければ、やりたい放題できると信じている」と語り、これが今日の状況を招いた要因の一つだというのです。
そして、ソロス氏の文章でこれからの数年内に習総書記が台湾を武力で統一するとの予測について、米カリフォルニア大学ロサンゼルス校名誉教授・宋永毅氏は「中国を統一したいというならば、台湾より5、6倍も大きいウラジオストク(ロシア)をなぜ統一しない?」と例に挙げ、「習近平は民族主義・国家統一のスローガンを掲げているが、実は自分の独裁の実現と野心を満たすためだ」と指摘しました。また、「欧米社会は習近平と中国の現状について理解を深めたが、十分とは程遠い。 鄧小平、江沢民、胡錦濤のあとに、たとえ習近平が現れなくても、習近平とほぼ同じリーダーが選ばれる。欧米の民主国家と争って世界一になりたいのが中共の本質だ」と警告しました。
ここまでくると、中共が息を潜んでいた経済開放路線の時代に戻ることはほぼ不可能でしょう。
(新時代Newsより転載)