米戦略軍の司令官を務めるチャールズ・リチャード海軍大将は12日、アラバマ州で行われた空間とミサイル防衛セミナーで、核分野における中国共産党（以下、中共）の急速な「戦略上の突破」を警告した。
リチャード氏は「中共の核兵器と常備軍の爆発的な増長と近代化は『驚くべき』としか言いようがない。そのため、通常通りに対処してはいけない」と指摘した。中共が軍事力近代化を実施している理由を理解し、米国は今すぐ措置を取らなければならないと強調した。
同氏は続けて、「中共は、中距離弾道ミサイル、移動式大陸間弾道ミサイル（ICBM）、潜水艦発射の核弾道ミサイルを含む、核兵器とミサイルの開発を継続的に行ってきた。2019年、中共は世界の他の国の総量よりも多くの弾道ミサイルを試射した」と述べた。
中共の軍事力増強には、200以上の新しい大陸間弾道ミサイルサイロの建設も含まれる。米国科学者連盟（FAS）とジェームス・マーティン不拡散研究センター（CNS）はここ数カ月、商用衛星画像を通じ、中国最西端（さいせいたん）の新疆ウイグル自治区と隣接の甘粛省でサイロが建設されているのを発見した、と同氏が明かした。
現在、米国はロシアと中共による前例のない挑戦に直面しており、それに対応するために、継続的に核技術の近代化、ミサイル防衛システムの強化、そして高エネルギーレーザーなどの先進的な兵器の開発に取り組む必要があると、同氏は述べた。
（翻訳・徳永木里子）