テレビドラマ「山河令」でブレークした中国の人気俳優・張哲瀚(チャン・ジョーハン)氏は、2年前に自身が投稿した日本の乃木神社での友人の結婚式に参加した時の写真、および靖国神社で撮影した昔の写真がネットユーザーに中国版のSNS「微博」に投稿され、中共に忠誠を示す「小粉紅」が「親日分子」とののしり、「謝罪して芸能界を辞めろ」と要求しました。
中共の宣伝機関「人民日報」や「中国中央テレビ(CCTV)」などが13日、責任を負うべきだと追い打ちをかけ、批判に加勢しました。その当日夜になると、27社が張氏とのCM契約を解除しました。そして映画の制作側からも契約解除を通告されました。
「小粉紅」から批判を受けた張氏は13日正午、謝罪文を発表し、「以前の無知な自分を恥ずかしく思う」と謝り、そして「私は親日ではない。私は中国人だ! 私は私の祖国を愛している」と表明しました。
しかし、「人民日報」は、張氏の謝罪文を転載して、「この謝罪は、自分の無知でやったことを償いたく、国民の感情を害したことへの許しを求めているものである。 公人である以上、歴史や国民の苦しみに無頓着であってはならない。 これは国家の正義に関わる問題であり、いかなる形であれ探ったり、挑戦したりすることは許されない。 もしわざとやったとすれば、大きな代償を払わなければならない」とSNSに書き込みました。
これを受け張氏は直ちに、「人民日報」のコメントの全文を転載しただけでなく、「指摘と批判を心から受け止め、深く反省し、教訓とする」とし、そして「中国人として祖国を固く支持する。党と国を愛する心は今まで微動したこともなく、今後も自らを厳しく律して、祖国を愛し責任と義務を果たすことをより行動で示していきたい。そして皆さんにも私のようにならないように、歴史に関心を寄せ、歴史を学び、忘れないようにお願いしたい」と党と国への忠誠心を再度示しました。
しかし13日22時になると、27社が張氏とのCM契約の解除を公式に発表し、張氏と関連するすべてのものを取り下げました。また、映画の制作側からも契約解除を通告されました。張氏は公式に謝罪してから10時間も経たないうちに、すべてを失いました。契約違反金も今後請求されるかもしれません。
2年前のことが今掘り出され、批判されたのは偶然ではありません。パンデミックにより、民衆の溜まった怒りの捌け口が必要になったとき、張氏のことは中共にとって恰好の的となり、愛国心を煽ると同時に、中共への不満をそらすこともできます。同時に中国では、いかなる有名人も、その言動が中共と一致しなければ、芸能界で生き残れません。たとえ無意識でやったとしても許されないのです。
(新時代Newsより転載)