2019年1月17日ペンタゴンで演説するトランプ大統領(イメージ:White House /パブリック・ドメイン)
トランプ大統領は攻撃者と向かい合った
オバマ政権時代、米国は共産主義政権からの攻撃性の高まりに対応するため「アジアへの転換」政策を策定した。その後政権に就いたトランプ大統領は、共和党議員らと北朝鮮の核兵器、中国による南シナ海の領海権主張に対抗するためこの政策を拡大した。
2017年のトランプ政権は、国連を通じて全体主義国家に対する制裁の強化、軍事配備の大幅な拡大、強硬な外交姿勢の維持によって北朝鮮の挑発に対応した。北朝鮮の核能力が中国に脅威を与えていたため、北京も国際制裁に協力した。
北朝鮮は核能力を保持しているが、米国からの圧力によって朝鮮半島の危機は一時的にであれ低下することとなった。2018年3月、北朝鮮の金正恩氏は、初の中国訪問を行い習主席と会談した。金氏はまた、韓国の文在寅大統領とも3回の首脳会談を実施した。
北朝鮮側の挑発により米朝首脳会談は一旦キャンセルされたが、両首脳は2018年6月、シンガポールで会談し、北朝鮮の複数の核施設は閉鎖された。また北朝鮮は、近年の国家目標として「経済発展」を強調するようになった。これまで重視していた「軍事力発展」からの転換であった。
中東外交では、トランプ政権は2018年5月にイランの核条約から撤退した。11月、ワシントンは再びイランに経済制裁を課し、サウジアラビアとも協力して石油価格を下げた。これは石油輸出に頼るイラン経済にショックを与える目的で行われたと考えられている。
(おわり)
(原文・Leo Timm / 翻訳・今野秀樹)