中印国境で対峙しているインド軍と中国軍の兵士(YouTube動画のスクリーンショット)

 中国とインドの国境地帯での紛争で、中国兵士たちの体力はインド兵士たちにはるかに及ばなかった。そのため、中国共産党(以下、中共)軍は現在、チベット人の遺伝子研究を行い、インド軍との戦闘能力の劣勢を解消しようとしている。

 今年1月、中印国境付近に配置された中共軍は、高地の環境、気候、低気圧、酸素不足に呼吸器系や体力が十分に適応できていないため、しばしば風邪をひいたり発熱することを認めた。一方、インド軍は何世紀にもわたって、山岳地帯での戦闘経験があり、英国統治時代にも、チベット高原やヒマラヤの地形で戦ってきたため、この過酷な地形に適応している。

 ロシアメディア「スプートニク」は6日、中国がチベット地域に世界最大の「高原人類遺伝資源生物サンプルライブラリ」を建設したと明かした。

 中国公式メディア「環球時報」が発表した報告書によると、中国の軍医団を含む専門家らは、15年間で約12万人のチベット人を対象に大規模な研究を行っていたという。

 陸軍軍医大学第2付属病院新橋病院の心臓内科の金俊教授は、「高山病の発病率は高く、死に至る可能性もあるが、治療のための技術的手段は現在のところ限られている。十分な生物学的サポートは、チベット高原の高山病研究に役立つだろう」と述べた。

 安全保障アナリストで元インド陸軍准将のラハル・ボンスル氏は、「スプートニク」の取材に対し、「中共が伝統的に非漢民族であるウイグル人やチベット人の遺伝子マッピングに力を入れていることは、倫理に反する同意されていない遺伝子組み換えの研究となる可能性があるため、(外界は)これを注意深くフォローする必要がある。遺伝子操作の結果は数年から数十年かかるかもしれない」と述べた。

 もう1人のアナリストのジャバンス・シン大佐は、「中共軍は、このような高地に長期間駐留する体力がないため、身体能力を高める必要がある。このような生物学的実験はすべて、この望ましい最終目的を達成するためのものだと考えられる」と語った。

 中国の軍事サイトが今年の初めに発表した報告書によると、中共軍は新兵の軍事訓練を「高原に適応する」、「高原に適合する」、「高原に適用する」の3段階に分けているという。中共は第14次5カ年計画で、チベットに290億ドル近い予算を計上しており、チベットの民間・軍事インフラを大規模に改造することを示している。

 このほか、中共はチベット族の1家族に少なくとも1人のメンバーを入隊させるよう命じており、チベット人で解放軍を充実させている。その目的は中共軍の高地での能力を強化することである。

 これに対して、作家のビクラント・タルダック氏は、「チベット人は自分たちが中国の一部だとは思っていないので、これは裏目に出る可能性が高い。彼らの自由の国家は中共によって不法侵入され、有害な共産主義イデオロギーを押し付けられている。彼らは数十年もの間、中共に抑圧されてきたが、今では強制的に入隊させられ、中共のために戦うことを強いられている」と分析した。

(翻訳・吉原木子)