(イメージ / Pixabay CC0 1.0)

 アメリカ航空宇宙局(NASA)は、「マーズ・デュン・アルファ砂丘(Mars Dune Alpha)」で1年間生活する有給のボランティアを募集している。これはテキサス州ヒューストン市のジョンソン宇宙センターで設置された、火星の生息地を模したものである。応募者はそこで宇宙遊泳を含む模擬の火星探査任務に従事する。

 「マーズ・デュン・アルファ砂丘」は、3Dプリンターによって作られた1700平方フィート(約157万平方メートル)の、火星を模擬した環境である。申請者は30歳~55歳の間で健康で、飲食に問題がなく、車酔いに強いなどが要求される。ほかに科学、工学、数学の修士号を持つことや、パイロットの経験が必要である。また、アメリカ市民か永住者のみがこの実験に参加できる。

 ボランティアたちは火星探査の疑似体験で、宇宙遊泳、家族との限られた通信、限られた食料や資源、そして設備の故障などの状況に直面する。

 NASAは3つの実験を計画しており、最初の実験は2022年の秋に開始される予定。

 主席科学者のグレース・ダグラス氏は「私たちは、人間が火星でどのように振る舞うのかを知りたい。私たちは火星の実際の状況を研究している」と述べた。

 カナダの宇宙飛行士のクリス・ハドフィールド氏は、「これはNASAが宇宙飛行士に近い人を探していることを示しており、参加者が実際に火星に行く人々と似ていれば、よりよい実験になるだろう」と述べた。

(翻訳・吉原木子)