米下院議員マイケル・マッコール氏(Ed Schipul, CC BY-SA 2.5 , via Wikimedia Commons)

 米下院外交委員会はこのほど、「新型コロナウイルス起源報告書(最新版)」を発表した。同報告書は共和党のマイケル・マッコール議員主導の下で作成されたものである。

 マッコール氏はボイス・オブ・アメリカ(VOA)のインタビューで、「世界に害を及ぼす新型コロナウイルスが武漢ウイルス研究所から流出した可能性を示す十分な証拠がある。しかし、中国共産党(以下、中共)はこの問題を隠蔽してきた。今後、米中は非常に緊張した関係になるだろう」と述べた。

 「どのような新しい証拠により、実験室事故で流出した可能性が高いと結論づけたのか」という質問に対して、マッコール議員は次のように答えた。

  一、2019年9月、武漢の病院ですでに大量の症例が発生した。その時点で、武漢ウイルス研究所は彼らのデータベースをオフラインにし、明らかに隠蔽しようとしていた。間もなくして中共軍は武漢ウイルス研究所を直接管理した。

 二、2019年10月、武漢でミリタリーワールドゲームズ(注1)が開催され、9000名の各国選手が参加した。一部の選手は帰国後、当時の武漢はすでに封鎖されていたと証言した。また、多くの選手に新型コロナウイルス感染症と一致する症状が現れた。

 三、公開された資料によると、武漢ウイルス研究所の石正麗(せき せいれい)研究員とエコヘルス・アライアンス(EcoHealth Alliance)の責任者であるピーター・ダザック氏が発表した共同研究では、「機能獲得実験」という遺伝子操作実験において、SARSコロナウイルスに似た非常に有害で危険なウイルスを作り出して、新しいウイルスワクチンを開発していたことは明らかである。

 四、武漢ウイルス研究所は十分な安全措置を取っておらず、本来はバイオセイフティー基準4(BSL-4)の実験室で行うべきである実験をBSL-2とBSL-3の実験室で行っている。実験室の安全が保障されていない。

 マッコール氏は、「新型コロナウイルスが流出したことが確実となれば、米国政府は石正麗氏とこの致命的な実験に関与した人々を制裁すべきであり、彼らに責任を取らせなければならない。真実は米国政府に中共政権にとった政策が失敗だったことを気づかせるだろう。現在、中共はすでに米国と同盟国の最大の挑戦者となっている」と述べた。

 また、「今回のパンデミックはアメリカ人を見覚めさせた。米国が中国からの医療物資に依存していることや、中共がレアアース鉱物と高性能な半導体チップの市場を独占することが、米国の国家安全に危険をもたらすことを、アメリカ人は認識できるようになった。これから、米中はますます緊張した関係になるだろう」とマッコール氏は語った。

 注1:ミリタリーワールドゲームズとは、国際ミリタリースポーツ評議会 (International Military Sports Council,IMSC) によって組織される軍隊を対象とした総合競技大会である。

(翻訳・吉原木子)