国際オリンピック委員会(IOC)は6日、ベラルーシのコーチ2人アルトゥール・シマク氏とユーリ・マイセヴィチ氏の資格を剥奪し、選手村からの退去を命じた。2人は同日、予定より早く東京羽田空港から帰国した。
東京五輪で女子陸上200メートル走に出場予定であった、同国のクリスティナ・ティマノフスカヤ選手(24)を強制送還しようとしたことが原因だった。ティマノフスカヤ選手が代表チームの運営について不満を公言したため、出場停止処分を受け、羽田空港に送られた。帰国後の身の安全を憂慮したティマノフスカヤ選手は、空港で日本の警察に救助を求め、テレグラムでIOCに救援を要請した。
IOCは「東京に残っているベラルーシ選手の心身の健康を考慮し、 同国コーチ2人の大会参加資格証を剥奪した 」と発表した。
ティマノフスカヤ氏は5日、2人のコーチからは「上からの指示だ」と伝えられたと、ロイター通信に明かした。
ボイス・オブ・アメリカ(VOA)の報道によると、ベラルーシオリンピック委員会の責任者であるルカシェンコ大統領の息子が、今回の事件に関与している可能性が高いという。ルカシェンコ氏は20年以上にわたって、同国のオリンピック委員会を支配してきたが、今年2月に息子に支配権を委譲した。ルカシェンコ氏は、昨年の反政府抗議活動の際、選手らを恐喝したことで、IOCから今年の東京五輪への出席を禁止されている。
ティマノフスカヤ氏は現在、ポーランドに到着し、ポーランド政府から人道ビザが発給された。
What is the most famous Olympic sport in dictatorships?
Runnin’ the hell out of the country, as fast as possible.https://t.co/OQ7PcAXWPH
— Novichok Heretic (@NoichokH) August 8, 2021
(翻訳・吉原木子)