米海軍の巡洋艦と駆逐艦(イメージ:U.S. Navy photo by Lt.j.g. Caleb Swigart)
1月24日、米国は台湾海峡に軍艦2隻を派遣した。これは米軍による今年初の作戦行動だ。台湾政府によると、中国は台湾海峡の戦略的価値を重視し、同海峡を中国への輸送路として頻繁に利用しているという。
台湾と中国との摩擦が増大する中、米軍艦による同海峡通過は、台湾では「トランプ大統領の台湾支持」の兆候とも受け止められている。
中国は台湾を自国と見なしており、台湾の支配下に置くために武力を行使する可能性を排除していない。
台湾の国防相は25日、声明の中で「米軍艦は規則に従い、中国本土と台湾を分ける台湾海峡を北方向に進行した」と伝えた。
また台湾政府は「海の安全と地域の安定を確保するために、作戦を注視している」と述べた。
昨年、米軍艦が3回に渡って同海峡を通過した。
米軍は、最近10年以上同海峡へ空母を派遣していない。しかし中国の軍事技術の進歩が米軍艦への脅威を増大させている影響か、米海軍は「台湾海峡に空母を派遣する可能性もある」と述べた。
一方の中国では、外務省の華春瑩報道官が「中国は同水域における米国の船舶を注意深く監視しているのみならず、米国側に懸念を表明し、『一つの中国政策』を遵守するよう求めている」と発言した。
2016年に蔡英文総統が就任して以来、中国は台湾への圧力を高めてきた。過去数年間、中国軍は定期的に軍用機や船舶を派遣し、台湾島を周回するなどした。
台湾の防衛省は別の声明で「中国政府は25日、フィリピンと台湾を分けるバシ海峡に爆撃機と航空機を投入した」と明らかにした。
同省によると、22日にも同様の中国での作戦が実施されていた模様で、両日とも台湾防衛省による綿密な監視が行われたという。
中国の習近平氏は1月上旬、「台湾を支配下に置くために武力を行使する権利を留保する」と述べた。それに応じて、蔡英文総統は台湾の民主主義を守ることを誓い、台湾の生活様式を守るため国際社会に支援を求めた。
トランプ大統領は先日、台湾に対する武器売却も含めた米国の関与を再確認する「アジア再保険イニシアチブ法」に署名した。
米国と台湾との間に正式な国交関係はないが、台湾防衛に関する協力および武器の供給は法律に明記されている。
(翻訳・今野秀樹)