南京禄口国際空港(Kegns, CC BY-SA 4.0 , via Wikimedia Commons)

 江蘇省の南京禄口(ろくこう)国際空港では20日、9人の陽性が確認されてから、一週間で感染は中国の5省の10市に蔓延した。当局は、今回はデルタ変異株による感染であると発表した。

 浙江省台州市(だいしゅうし)では、南京市の新規感染者と接触した人が100人以上いるという。四川省瀘州市(ろしゅうし)、遼寧省大連市でも濃厚接触者がいる。江西省疾病予防管理センターは27日午後3時、緊急事態警告を発表し、現地市民に大連市に行かないよう要請した。

 中国中央テレビ(CCTV)は、世界での主な流行ウイルスであるデルタ変異株が、南京市で流行・拡大を引き起こしたと報じた。

 感染が拡大している5省と10市はそれぞれ、遼寧省の大連市と瀋陽市、安徽省の馬鞍山市(まあんさんし)と蕪湖市(ぶこし)、広東省の中山市と珠海市、四川省の綿陽市(めんようし)と瀘州市(ろしゅうし)、江蘇省の南京市と宿遷市(しゅくせんし)である。27日10時の時点で、中国では高リスク地域が5つ、中リスク地域が30指定された。

 江蘇省楊州市政府の公式ウェイボー「楊州発布」は27日、同市の広陵区(こうりょうく)と江都区(こうとく)は封鎖管理を行っていると発表した。同発表によると、現在では流行への予防・管理が厳しく、複雑になっている。区内では各団地に封鎖管理の実施、団地の出入り口を1つのみ残し、健康コード、出入記録、ワクチン接種記録を全面的にチェックするよう要求している。

 江蘇省のほか、山東省臨沂市(りんぎし)蘭山区は26日、2人の濃厚接触者が同区にいると発表した。2人は今回、臨沂市の各地を回っており、濃厚接触者の人数は推測し難いという。

 また、重慶市当局は、1人の無症状感染者が13日から17日まで同市に留まり、26日24時までに128人と接触したと発表した。

(翻訳・徳永木里子)