キリスト教カトリック教会のローマ教皇庁(バチカン)の列聖省長官であるジョヴァンニ・アンジェロ・ベッチウ元枢機卿をはじめとする9人は、不正な投資や資金管理人との取引、友人と家族への明らかな便宜供与などを通じ、数億ユーロの教会資金を流失させたことで起訴された。有罪になれば、彼らに懲役刑や罰金が科せられる。公判が27日、バチカン博物館の改装された法廷で開廷した。
バチカン検察官は法廷で、バチカンの元枢機卿ベッチウ氏が部下に検察官に嘘をつくように仕向けたとされるなど、目を疑うようなスキャンダルを次々と告発した。案件の中では、フランシスコ法王(ローマ教皇)とその高級助手は、いくつかの重要な取引について知っていただけでなく、場合によっては明確に承認していたことも明らかになった。
フランシスコ法王はバチカンで、最高の立法・行政・司法の権限を持ち、多くの面でベッチウ氏を有罪にした。
フランシスコ法王は昨年、ベッチウ氏に、同氏の弟が経営しているサルデーニャ島の慈善機関に、バチカンの資金10万ユーロ(約1,300万円)を、不当に送金したという証拠を提示した。フランシスコ法王はベッチウ氏が列聖省長官を辞任するのを確実にした上で、枢機卿としての権利を剥奪した。バチカンの報道機関は直ちに(昨年9月)同制裁を発表した。
(翻訳・徳永木里子)