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 中国の証券監督当局は最近、インターネット企業に対して厳格な審査・整頓・改善を行ったため、米国で上場している中国企業の株価が急落し、米国での上場を計画していた中国のインターネット企業は、当初の計画の変更を余儀なくされた。

 監督当局の規制措置は、中国の上場企業の株価だけでなく、中国市場に対する投資家の信頼性にも打撃を与えている。国際金融協会のデータによると、26日と27日の2日間で、外国資本が中国証券市場から26億ドル(約2853億円)の資金を引き揚げたという。

 ブルームバーグのデータによると、中国と香港の株式市場は22日以降、約1兆5000億ドル(約165兆円)が蒸発した。

 市場を安定させるために、中国の公式メディア「証券時報(中国の3大証券新聞の一つ)」と「中国証券報(中国政府認定の3大経済専門紙の一つ)」は、28日の一面記事で、A株(注1)にはシステミック・リスク(注2)は存在しないと発表した。「中国証券報」はまた、金融市場の短期的な変動は長く続かず、外国人投資家が人民元建て資産の保有を増加させる一般的な傾向は変わらないと報じた。

 中信証券(中国政府系の総合証券会社)は報告書の中で、香港株は極端な悲観論にさらわれているため、ロスカットなどのマイナス効果を引き起こし、リスクの解放がしばらく続く可能性があると述べた。

 注1:A株とは、上海証券取引所、深セン証券取引所に上場されている中国企業の株式のうち、人民元建てで取引をされているものである。

 注2:システミック・リスクとは、個別の金融機関の支払不能等や、特定の市場または決済システム等の機能不全が、他の金融機関、他の市場、または金融システム全体に波及するリスクである。

(翻訳・吉原木子)