日本、米国、台湾の国会議員による初の「日米台戦略対話」が29日にウエブ会議形式で開き、複数の参加者から香港における中国共産党の統制強化に対する懸念を表明した。日華懇(注)顧問の安倍晋三前首相は会談に出席し、「香港で起こったことが台湾で決して起こってはならない。我々は台湾を非常に重視し、台湾が国際組織に参加することを期待している」と述べた。
安倍氏は日本、米国および多くの同じ価値観を持つ国々が、新疆ウイグル自治区やチベットで起きていることに心を痛めており、香港の現状や台湾海峡で中国共産党の圧力が強まっていることを大きく懸念していると述べた。安倍氏はスピーチの中で、2016年に「自由で開かれたインド太平洋戦略」を打ち出し、海洋を必ず自由に開放し、保障できるのは国際法で、この理念を共有する国はこれを守るべきであると語った。自由・民主主義・人権・法治といった基本的な価値観を、深く根付かせる必要があると考えている。
安倍氏は、「香港で起きたことが台湾でも起きてはならない」と強調し、「我々は台湾を極めて重視しており、台湾が世界保健総会(WHA)や環太平洋パートナーシップに関する、包括的及び先進的な協定(CPTPP)などの、国際機関に参加できることを望んでいる」と述べた。
中華民国外交部は同日のプレスリリースで、「日米台の有力国会議員が、同じ理念の国々の継続的な協力と友好関係を深めることへの支持、及びインド太平洋地域の平和と安定の維持に貢献するよう、各界に呼び掛けてくれたことに感謝する」と述べた。
注:日華議員懇談会(にっかぎいんこんだんかい、略称:日華懇)とは、日本と国交のない中華民国(台湾)との関係強化を目的とした超党派の議員連盟である。
(翻訳・徳永木里子)