米ホワイトハウスは26日、新型コロナウイルス変異株「デルタ」の感染が米国内外で拡大し、国内で感染者が増加している状況を踏まえ、イギリス、欧州連合(EU)、中国などへの渡航制限を継続すると発表した。
ホワイトハウスは、米国政府は海外旅行の重要性を理解しているが、デルタ変異株が米国や世界各地で拡大しており、すでに感染者が増え始め、今後数週間は増加し続けると思われる米国内で、感染率を再び押し上げる可能性があるとして、米国は渡航制限を維持すると述べた。
米国の渡航制限では現在、不要不急の渡航、移民の庇護申請、家族訪問のために米国に来る外国人が禁止されている。同制限は、中国、イラン、EU、英国、アイルランド、ブラジル、南アフリカからの渡航者を対象としている。また、ホワイトハウスは、4月にインドからの感染者が急増したことを受けて、インドから米国に入国する渡航者を禁止した。
米国は、直近14日間以内にイギリス、欧州域内を国境検査なしに移動できる「シェンゲン協定」の加盟国26カ国、中国、インド、イラン、ブラジル、南アフリカ、アイルランドを訪れた外国人の大半の入国を禁止している。
米疾病対策センター(CDC)は26日、新型コロナウイルス感染状況が悪化しているスペイン、キューバ、キプロス、キリギスタン、ポルトガルへの渡航警戒についても「レベル4」に引き上げ、米国民に渡航を自粛するよう呼び掛けた。
CDCのワレンスキー所長は先週、米国内で7日平均の新規感染者数が53%増加し、デルタ変異株が新規感染者全体の8割以上を占めたと明らかにした。
(翻訳・藍彧)