7月22日の鄭州市の京広路トンネル(ネット写真)

 中国河南省鄭州市では、最近の集中豪雨とダムからの放水により、街全体が一面の海と化した。鄭州市の地下鉄5号線が洪水で立ち往生したために多くの乗客が死亡した。それに加えて京広路トンネルも短時間で急速に浸水したことにより、数千人が亡くなったと疑われている。

 現地メディア「大河報」によると、鄭州市の京広路と隴海路の交差点にある京広路トンネルは、被害が最も深刻だった場所の1つで、橋の上にいた大勢の人が立ち往生し、トンネル内に大量の車が流された。

 中国メディア「澎湃ニュース」が22日発表した捜索者リストによると、14歳の少年2人が、20日に京広路交差点のトンネルで遭難し、行方不明になっていた。

 「財新網」は22日午後10時頃、同日の公式筋からの情報として、トンネル内の積水が原因で現在少なくとも2人が死亡しており、死亡者は21日にトンネルの水を抜いた際に発見されたと報じた。

 地元の市民は「何百台もの車が積み上げられていた」と説明しながら、動画を撮影した。「多くの人が見た。車がバラバラに積み上げられ、悲惨な状態になっている。救助が間に合わず、鄭州のあちこちで同じような光景が見られる」

 別のネットユーザーが「トンネル内で数千人が死んだかもしれない。しかし、中国にはメディアの自由がなく、本当の死亡者数を必死で隠蔽している」と暴露した。

 ネットユーザーの説明によると、「京広北路トンネル」と「京広南路トンネル」の2つの区間は、合計で約4.3km。仮に5分で車のてっぺんまで増水したとすると、中心地点にいた人は即座に車を捨て、トンネルの出口に向かって増水の影響を受けながら、高校時代の長距離走のようにダッシュしても間に合わない。そのため、理論的には閉じ込められた人が逃げ出せる可能性はゼロに近い。

 また、「車の長さ5mだとすれば、車の前後の距離3m、1台の車が必要な距離は8mで、トンネル4300m、1車線4300割る8で約537台という計算になる。6車線で6かける約530は約3180台、1台に1.5人いるとすれば、3000台は約4500人の勘定になる」と計算したネットユーザーもいた。

鄭州市の京広路トンネルの普段の風景:

7月21日の京広路トンネル:

7月22日の京広路トンネル:

(翻訳・徳永木里子)