中国河南省で豪雨災害がまた続くなか、中共の習近平総書記は被災地を視察するどころか、チベット・ラサ市に到着したという非公式映像がSNS上で流れています。
米ラジオ・フリー・アジア(RFA)の22日付の報道によると、ネット上の映像から習近平総書記が22日、ラサに到着したと報じました。習総書記就任以来、約10年ぶりにラサを訪れたことについて、 国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチは、習総書記ではなく、亡命中のチベット人の精神的指導者であるダライ・ラマ氏が、チベットを訪問することを希望すると述べました。そして、チベット亡命政府駐台湾代表は22日、 RFAの取材に対し、当局が国内のチベット人に対してより残忍な取り締まりを行うことを心配していると語りました。 中国メディアは習総書記のラサ訪問について報道していません。
同取材で、 亡命政府駐台湾代表は、21~27日までラサ上空の飛行禁止と、ポタラ宮の緊急閉鎖の知らせが先日、チベットから出たと明かしました。(習近平が)約10年ぶりにラサを訪れたことについて、同代表は、チベット全土がすでに中共の手中にあり、完全に支配しているという自信の表れで、チベット人に対しさらなる弾圧を行う前兆ではないかと案じています。
同代表はさらに「注視すべきことは、習近平がチベットの武装警察や人民解放軍を必ず視察するだろうが、そこでの演説でどのようなメッセージを出したのかが重要だ。 なぜなら、中国とインドの対立が深刻化しつつあるなか、(米国の)インド太平洋戦略によってチベットがさらに重要視されているなかでの演説だから。 これらはすべて、チベットに対する習近平の態度を示すものとなる」と現段階でチベットが重要な存在であると指摘しました。
習総書記がラサに到着した22日、甚大な被害を受けた河南省政府はこれまでに省全体で33人が死亡、300万超の人が被災したと発表しました。中国メディアが河南省での暴雨を「1000年に一度」、河南省水利庁は「5000年に一度」と未曾有な天災を強調していますが、ダム放流を事前に通知しなかったために、被害がさらに拡大し、ネット上で救助を求めるメッセージが溢れていました。しかし、中国官製メディアは相変わらず当局の救助実績や感動的な救助行為を重点的に取り上げ、「1000年に一度」の豪雨であることを繰り返し強調し、災害の原因についての分析や議論はほとんど行われていません。 このように災害の原因を軽視している報道に疑問をもつ中国人が多くいます。
中共がこの間、莫大な税金を使って党100周年を祝って築きあげたいわゆる「偉大なイメージ」は崩れ去りました。
(新時代Newsより転載)