フラグシップモデルであるMateシリーズの「HUAWEI Mate 9」(イメージ:Shwangtianyuan / Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0)
1月28日、米国司法部は正式にファーウェイ(以下、華為)と、孟晩舟氏の引き渡し手続き開始を正式発表。華為と孟晩舟氏に対して、2件の告訴案と23もの罪名を申し立てた。これはトランプ政権による、中国共産党の浸透と拡大を抑制する為の戦略の一つ。米国司法部、国土安全部、商務部大臣とFBI連邦捜査局長などを含む会議への出席は、この事件に対する重視度が明らかに見える。
世界を騒が せている華為とは、どんな企業だろうか。
華為は民間企業という顔を見せつつ、実は中国共産党が全力を挙げて投資をしてきた企業であり、スパイ機関の側面を持っている。創業以来20年以上に渡って、政策、外交、資本の面で、中国共産党から華為に多額の資金が流れており、その額は少なくとも、数千億元と言われている。
華為は今日まで、民間「優良」企業のように見せながら、安価のダンピング・中国共産党からの補助金に依存してきた実態があり、知的所有権とハイテク技術の侵害は、アフリカ、ヨーロッパ、米国と、世界に拡がりを見せている。西側諸国の電気通信とハイテクノロジーの分野を制御する為に、中国共産党が設立した企業が華為だ。
華為は中国共産党そのものであり、対外宣伝戦略のいわゆる「ソフトパワー」(柔らかい実力)で、米国に代わって世界を支配することを目的とした企業であることから、中国共産党が、華為を重視する理由が見えてくる。
こうした動きに対し、西側の米国が華為を警戒する主な理由に、中国共産党の戦略が、米国をはじめ西側諸国を転覆させる怖れが挙げられる。このような背景の下で、多数の国家から排斥された華為製品の使用禁止が、連鎖反応のごとく範囲を拡大して行き、ついには崩壊するかも知れない。華為の中心人物・孟晩舟氏は、自身の運命に苛まれている事だろう。
華為の後継者でもある孟晩舟氏は、海外におけるスパイ活動で知り得た大量の情報を数多く保有しており、もしも、中国共産党が孟晩舟氏の身柄確保が出来なかった場合、孟晩舟氏の存在は中国共産党にとって、大変不利な存在に変わる。孟晩舟氏の運命の行方はどうなるのか。中国共産党の歴史を調べてみれば、捕虜になったスパイへの扱い方が分かる。
孟晩舟氏は一度、米国に引き渡され、裁判を受けると最大30年の懲役刑を宣告されることが予想される。少しでも刑を軽くする為に、米国側に全面的に華為の罪を認め、合意の方向で軽い判決を獲得したいと考えるのは、この状況にいる人間の心理だろう。
華為が米国の法律に違反しているという「決定的な証拠」を米国が掴んだ場合、華為に対して厳格かつ深刻な申し立てや制裁が科される。これは華為、中国共産党の戦略が全面的な失敗・敗北と言える。
(原文・夏小強 / 翻訳編集・李誠慶、光子)