中国のIT・ネットサービス企業 「テンセント」は、欧米諸国が軍事シミュレーションに使用しているドイツのゲーム開発会社「Crytek」を買収しようとしています。テンセントは米国務省に「中共の道具」と見なされており、 Crytek社員は同社の技術が中共に軍事的に使われるのを案じています。
米保守系メディア「The National Pulse」の16日付の記事によると、テンセントは米ホワイトハウスのメンバーが投資しており、オバマ元大統領の元選挙責任者をロビイストにして、ドイツのCrytek社に3億ユーロ(約387億円)の金額を提示して買収しようとしています。
これを最初に報じたドイツ大手日刊紙「ビルト」の記事によると、人々が「中国はCrytek社が開発した『CryEngine』を使って、中国軍の戦争シミュレーションプログラムを作りたいのではないか」と不安を感じています。そして同記事は「これらを使えば、中国は台湾や欧米に対する戦争において、これまで以上にリアルにリハーサルできるだろう」と付け加えました。
このような懸念は見当違いではありません。米国務省は、テンセントを「中国政府の道具」と表現しており、同社は「中共が支援を求めてきた場合に『NO』と言えない」と指摘しています。
米国務省によると、重要なのは現代の 「中国モデル」が、テクノロジーによって促進された監視と社会的統制の基盤の上に構築されているということです。それはHuawei、Tencentなどテクノロジー企業が中共に代わって、これらの技術を開発、構築、維持し続けていくからだと明かし、これらの企業が製品やサービスを世界に輸出することで、「中国モデル」に関連する安全保障や人権問題も一緒に輸出されていくと指摘しました。
米軍とドイツ軍は、軍事シミュレーションや兵士のトレーニングプログラムにCryEngineを使用しているため、ビルト紙は「中国は、ドイツや米国、その他の国がどのように軍事衝突をシミュレートしているかをスパイすることができる」と指摘しました。
テンセントの馬化腾CEOは、愛国統一戦線組織である中国共産主義青年団を中心とする全国青年連合会の副主席を務めるほか、全人代の代表でもあり、「愛国ビデオゲーム」を開発し、中共に協力的な態度を取っています。
(新時代Newsより転載)