今年7月1日に、中国共産党創設100年を祝う大規模な祝賀式典が北京の天安門広場で開かれました。中共総書記の習近平氏は毛沢東を彷彿とさせる人民服で登場し、記念演説で中国共産党による一党支配体制の正当性を内外に強くアピールしました。
しかし、中国共産党の100年の歴史を振り返ると、それは正しく中国民衆を虐殺した歴史であることが分かります。
アメリカのハワイ大学のR・J・ラムル(Rudolph Rummel)教授は著書の『中国の民衆殺戮』の中で、中国共産党が自国民を大量虐殺した事実を記述しています。
1991年に出版された原作では、R・J・ラムル教授は中華人民共和国建国後の1949年〜1987年までの、中国共産党による殺戮犠牲者数を以下のようにまとめました。
中華人民共和国建国後(II部):
年代 | 時期区分 | 犠牲者数 |
1949年10月―1953年 | 全体主義化 | 842万7千人 |
1954年―1958年 | 集団化 | 747万4千人 |
1959年―1963年 | 飢饉/調整期 | 1,072万9千人 |
1964年―1975年 | 「文化革命」 | 773万1千人 |
1976年―1987年 | 自由化 | 87万4千人 |
(ラムル 2008, pp. 33-37 表1.A)
原著が出版された17年後の2008年に出版された日本語版への序において、ラムル教授は、「原著では民衆殺戮に加えていなかった1959年から1963年までの「大躍進運動」の餓死者を加えれば、その犠牲者数は約3,800万人と推計される。これにより、中国共産党による民衆殺戮犠牲者数は約7,700万人と推計される」と重要な補足を追加しました。
大紀元編集部が発表した著書『共産党についての九つの論評』の中でも、「中国共産党政権の成立から55年間の歴史は、血と嘘で記された歴史である。その流血の裏にある事実は、残酷非道であるばかりでなく、ほとんど世間に知られてない。中国人の6千万ないし8千万もの罪のない人々の命が犠牲となり、更に多くの家庭が迫害された」と記述しています。
文化大革命が終わった後でも、中国共産党は、1989年には学生の民主化運動を武力鎮圧し、1999年には法輪功修煉者に対して不当な大弾圧を発動しました。近年では、習近平政権は更なる強硬路線を執り、ウイグル人、チベット人、モンゴル人等に対する虐殺や民族浄化を行い、一国二制度や高度な自治が50年間維持するという国際条約を破棄し、東洋の真珠と呼ばれる香港を完全に破壊し、さらには、台湾にまで武力侵攻すると脅迫しています。
そして、2020年に始まった新型コロナウィルスの感染は、中国共産党の意図的な隠蔽により全世界に広がり、約1億人以上の感染者と400万人の死者を出し、世界経済全体と個人の安全に計り知れない損害を与えました。
中国共産党から脅威を感じ始めた西側諸国は、次第に「対中包囲網」を形成しました。それに焦りを見せた習近平は7月1日の記念演説で、「中国人民はいかなる外来勢力の圧力も絶対に許さない。そんなことを妄想する者は誰であれ、14億超の人民が血肉で築いた鋼鉄の長城の前で、頭を割られ血を流すだろう」と挑発的な言葉を発し、対外圧力に徹底的に対抗する姿勢を顕にしました。
中国共産党は、またもや中国国民を犠牲にして自らの政権を守る「人盾」にしようとしています。
2020年7月23日、当時のポンペオ国務長官はカリフォルニア州にあるニクソン図書館で対中演説を発表した際、「中国の共産主義者の言うことはほとんどが嘘だ・・・、その最大の嘘は、共産党は中国人の14億人を代表しているとしていながらも、実は14億人を監視、圧迫し、自由な会話ができないようにしている」、「中国共産党と中国国民を区別すべきだ」と主張しました。
中国共産党の百年の歴史は中国の民衆を迫害し、抑圧した暗黒の歴史です。「天滅中共」(天は必ず中国共産党を滅ぼす)という天理が既に現れています。中国共産党のない中国を期待したいです。
(文・一心)